スマホを開けば、同年代の子のリフティング動画や鮮やかなドリブル、遠征や選抜の報告が流れてきます。
「うちの子はまだあんなことできない」「みんなこんなに頑張っているのか」。見ないほうがいいと分かっていても、つい確認してしまい、焦りや落ち込みにつながることがあります。この気持ちは、自然なものだと思います。
正直に言うと、私自身はあまり焦りません。この記事では、その理由と、それでも焦りが子どもに向かいそうになった自分の経験をお伝えします。
すごいとは思うが、真似する気はない
他の子のすごい投稿を見ると、素直に「すごいな」とは思います。
ただ、真似をしたいとは思いません。私が見ているのは、その子がどう見えるかではなく、自分の子ども自身がどうなりたいか、それだけだからです。
他の子の到達点は、その子のものです。我が子の基準にはなりません。
発信する側になることには興味がない
自分自身が、良い瞬間を切り取って発信する側になることにも、興味がありません。
物事の本質は、そこにはないと思っているからです。見せ方より、日々の中身のほうが大事だと考えています。
誰の言葉を聞くかを、自分で選ぶ
保護者同士のSNSグループやコミュニティでは、遠征や選抜の報告が流れてくることがあります。「あの家も」「この家も」という空気が、焦りを増幅させることもあると聞きます。
私自身は、その空気にあまり影響されません。自分で考えること、自分が信じる人の話を聞くこと。誰の言葉を基準にするかを、自分で選んでいるからだと思います。
流れてくる情報を鵜呑みにするのではなく、まず自分の頭で考える。それだけで、周りの空気に振り回されにくくなると感じています。
「一番いい瞬間」だけが投稿されている
とはいえ、SNSにこうした比較を煽る情報があふれているのは事実です。
当然ですが、SNSには成功した瞬間だけが投稿されます。100回失敗していても、成功した1回だけが載ります。自分の子どもの日常と、他人が編集した「一番いい瞬間」を比べても、そもそも勝負になりません。
投稿の裏にどれだけの苦労や試行錯誤があったのかは、見えません。結果だけが見え、過程は見えないのです。「あの子は最初からできていた」という誤解が生まれやすいのも、このためです。
一度反応すると、似た投稿がさらに増えていく仕組みもあります。不安を感じて自主練の動画を検索すると、そういう投稿ばかりが集まってくる。気づかないうちに、不安を強める情報に囲まれていくことがあります。
それでも、焦りが子どもに向かうことはある
ここまで偉そうに書きましたが、私自身にも失敗はあります。
子どもがすぐに動かないとき、「自分が信じたことに向かって努力しないのか」と伝えることがあります。
世の中と比べて言っているつもりはありません。本人が決めたことに、本人が向き合っているかを、気づかせたいだけのつもりです。それでも、これは焦りと取られても仕方がない言い方だと、自分でも思っています。
比べる相手がSNSの他の子であっても、自分の理想であっても、それが子どもへの言葉に出てしまえば、子どもにとっては同じプレッシャーになり得ます。
SNSとの現実的な距離の取り方
考え方だけでなく、仕組みで距離を取ることも有効です。
- 見る時間を決める。特に夜、比較する気持ちを抱えたまま眠りにつくのは避けたいところです
- 焦りを感じるアカウントは、ミュートやフォロー解除をためらわない。相手を否定することではなく、自分の心を守るための行動です
- 「自分も、良い瞬間だけを選んで発信している」という視点を持つ。それだけで、他人の投稿も割り引いて見られるようになります
- 自分のタイムラインは、自分が反応してきた情報の積み重ねだと時々疑ってみる。「みんな自主練している」と感じるとき、それは現実そのものではなく、自分の関心が集めた世界かもしれません
焦りが子どもに向かう前に
一番大事なのは、ここだと思っています。
行き場のない焦りは、いずれ子どもに向かいます。「あの子はできるのに、なんでうちは」「もっと練習しないと遅れるよ」。SNSから生まれた比較は、我が子には関係のない基準で、子どもを追い立てる言葉になりがちです。
親が焦るのは自然なことです。問題は、その焦りが子どもに届いてしまうことだと思っています。タイムラインで生まれた焦りは、タイムラインの中で消化する。子どもとの関わりの中に持ち込まない。それだけでも、子どもを守ることになると思います。
まとめ
SNSで焦るのは、他人が編集した「一番いい瞬間」と、自分の子どもの「編集されていない日常」を比べてしまうからだと思います。過程が見えず結果だけが見えること、アルゴリズムが見たいものを集めてくることも、その構造を強めています。
私自身は、真似する気を持たず、本人がどうなりたいかだけを見るようにしているので、あまり焦りません。それでも、子どもへの言葉が焦りに見えてしまうことはあり、そこは自分の課題だと思っています。
比べる先を、SNSの中の子どもから、昨日の我が子に変えてみてください。見る時間を決め、焦りを感じるアカウントは遠ざける。そして何より、タイムラインで生まれた焦りを、子どもとの時間に持ち込まないこと。
編集されていない日々の積み重ねの中にこそ、我が子の本当の成長があると思っています。が子の毎日こそが、本物です。編集されていない日常の中に、その子の成長は確かに積み上がっています。
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