補欠生活が長い時に親が気をつけたいこと|子どもの成長を支える関わり方とは

親のサポート術

「また今日も出番がなかった……」

試合後、そんな我が子の姿を見るのは、保護者にとってもつらいものです。補欠生活が数か月、時には数年続くこともあります。子ども以上に、親の方が焦りや不安を感じることも少なくありません。この記事では、補欠生活が長引く時に、保護者が気をつけたいことと、家庭でできる関わり方を整理しました。

まず大切なのは、親自身が焦らないことです

試合に出られない状況が続くと、「なぜ出られないのか」「このままで大丈夫なのか」と考えるようになります。

でも、その不安が子どもに伝わると、必要以上のプレッシャーになることがあります。

サッカーでは、数か月で立場が変わることも珍しくありません。身体の成長、技術の向上、考え方の変化。成長期の子どもは、大きく変わっていきます。

今の状況だけで、将来を判断しないことが大切です。

スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエック氏が提唱した「成長マインドセット」という考え方では、能力は固定されたものではなく、努力によって伸ばせるという捉え方が、困難な状況に向き合う力を高めるとされています。

補欠生活のように、すぐに結果が出ない時期をどう捉えるか。それによって、子どもがその時間から何を得られるかが変わってきます。

避けたい言動もあります。試合後の反省会を毎回すること。他の選手と比較すること。コーチへの不満を子どもの前で話すこと。

これらは励ましのつもりでも、子どもには違う形で伝わることがあります。

自分のチームでは、補欠生活が長引くことがありません

正直に言うと、自分が指導してきた中で、補欠生活が長く続くという状況そのものが、あまり起きません。

理由は、スタメンを固定しないようにしているからです。

出場メンバーを固定すると、出ている子は「自分はレギュラーだ」と思い込みます。出られない子は、「自分は違う」と思い込みます。

でも、入れ替えながら起用すると、その思い込みが生まれにくくなります。

そして、これは間違いなく感じていることですが、入れ替えのある環境で育った子は、仲間を応援したり、プレーを観察したりする力が自然と身についていきます。自分が出ていない時間も、他人事ではなくなるからです。

補欠だったとしても、「じゃあどうしようか」と、自分なりの努力の方法を考え始める子もいます。それはとても良いことだと思っています。

ただ、ここで正直に思うことがあります。

その「考える力」は、特定の性格の子だけが自然に身につけるものではなく、どの子にも育てられるはずのものです。そしてそれを育てるのは、保護者ではなく、コーチの仕事だと思っています。

それでも、家庭でできることはあります

とはいえ、今のチームの指導方針を、保護者がすぐに変えることはできません。

コーチが入れ替えを行わない環境で、補欠生活が長引いている場合もあると思います。

その時、家庭でできるのは、「じゃあどうしようか」と考える練習を、一緒にすることです。

コーチが機会を用意してくれなくても、考える力そのものは、家庭でも育てられます。

今日から試せる3つのこと

1. 「なぜ出られないか」ではなく「次に何を試すか」を聞く

原因追及より、次の一歩を一緒に考える質問に変えます。

2. 出場時間以外の小さな変化を、言葉にする

声が出るようになった。片付けを率先した。そうした変化を見つけて伝えます。

3. サッカー以外の話をする時間を、意識してつくる

家庭がサッカー一色にならないようにするだけで、逃げ場ができます。

その「考える力」を、育てているのは誰でしょうか

補欠生活の中で、子どもが自分なりに考え始めることがあります。

それは、その子がもともと持っていた力でしょうか。それとも、周りの大人が育てた力でしょうか。

どちらであっても構いません。ただ、今、その力を育てているのが誰なのかを、一度考えてみてほしいと思います。

よくある質問

Q. コーチに「もっと出してほしい」と伝えてもいいのでしょうか。

伝え方次第です。要求ではなく、「今、何を伸ばせば出場機会が増えますか」といった聞き方の方が、対話になりやすいです。

Q. 補欠生活が長すぎる場合、チームを変えることも考えるべきですか。

一つの選択肢です。ただし、今のチームで何が求められているかを理解した上で判断することをおすすめします。

Q. 子どもが「もう頑張りたくない」と言い出したら、どうすればいいですか。

まずはその気持ちをそのまま受け止めてあげてください。頑張らせることより、安心できる時間をつくることが先です。

まとめ

補欠生活が長く続くと、子どもだけでなく保護者も不安になります。まず大切なのは、親自身が焦らないことです。

自分自身が指導してきた中では、スタメンを固定しないようにしてきたので、補欠生活が長く続くという状況そのものがあまり起きませんでした。入れ替えのある環境では、仲間を応援したり、観察したりする力が自然と育ちます。

ただ、その力は、コーチが用意する環境によって育つものだと思っています。今のチームがそうでない場合も、家庭で「次に何を試すか」を一緒に考えることはできます。

今日、まずは出場時間以外の小さな変化を、1つ言葉にしてみてください。

補欠生活の中で身につく力は、サッカーだけでなく、将来の人生にも役立つ財産になります。

【この記事を書いた人】

ぽこちパパ|Junior Football Base運営者

ジュニアサッカー指導歴25年以上。ブラジル・サンパウロでのサッカースクール設立・運営、Jリーグクラブスクールでの指導、女子チームや発達支援現場での活動を経験。現在はNPO法人を運営し、保護者支援や発達支援にも携わっています。

▶ぽこちパパのプロフィール
https://juniorfootballbase.com/profile/

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