サッカー人生は小学生で決まらない|結果を残した年の、その後

親のサポート術

今、試合に出られない。周りより下手に見える。このままだと、この子のサッカーはもう芽が出ないのではないか。あるいは逆に、今活躍しているからこそ、「この調子で上に行ってほしい」と期待が膨らむ。どちらにしても、小学生年代の「今」に、大きな意味を持たせすぎていないでしょうか。

25年以上、たくさんの子どもたちの小学生年代と、その後を見てきました。そこではっきり言えるのは、サッカー人生は小学生では決まらない、ということです。この記事では、結果を残したある学年のその後の話を通して、「今」の結果との向き合い方をお伝えします。


小学生年代の結果について、一般的に言われること

まず、よく言われることを整理します。

早熟な子が有利に見える年代

小学生年代は発育差が大きく、体が早く出来上がった子が活躍しやすい傾向があります。今の活躍が、実力というより発育の早さである場合も多いとされます。

ゴールデンエイジと呼ばれる時期

技術が身につきやすい大切な時期であることは事実です。ただ、それは「この時期に結果を出すべき」という意味ではありません。

中学以降で環境が大きく変わる

進学、部活、生活の変化。サッカーを取り巻く環境が一変するため、小学生年代の序列はリセットされやすいと言われます。

これらは知識としては知られています。でも、実際にどれほど変わるのか。私が見てきた例をお話しします。


結果を残した、ある学年

ある年の、小学6年生。ジュニア最後の大会でのことです。

その学年は、目に見える結果を残しました。市の中でも上位の相手に勝ち、全国大会に行くチームとも最後まで競り合いました。市の選抜にも、数人が選ばれました。

素晴らしい一年でした。子どもたちが積み上げてきたものが、結果として実った。その経験は、間違いなくその子たちの財産になったと思います。

でも、その話には続きがあります。


中学に上がって、起きたこと

中学に上がると、子どもたちには様々な変化が訪れました。

私生活が変わる。部活が始まる。勉強が本格化する。遊びの幅も広がる。サッカー以外のことが、一気に増えていきます。

サッカーを続けるにしても、環境が変わります。新しいチームやレベルの違いに戸惑う子もいます。体の成長のタイミングで、プレーの質が変わる子もいます。小学生の時に活躍していた子が、中学で伸び悩むことも、珍しくありません。

小6の輝かしい結果は、その後を保証するものではありませんでした。あれだけの結果を残しても、中学という新しい環境の変化には、みんな一から向き合うことになったのです。


だから、「今ダメ」も関係なくなる

ここで大切なのは、これは逆もまた真だということです。

小学生の時に結果を残した子が、その後の変化にのまれることがある。ということは、今、自信を失っている子も、そんなことは関係なくなるくらいの変化やチャンスが、この先にあるということです。

中学で体が大きくなる。新しい環境で、自分に合ったサッカーに出会う。あるタイミングで、スイッチが入る。小学生年代の「今ダメ」は、まったく確定した評価ではありません。

このサイトで何度も書いてきた、中学3年間出られなかった子が高校で開花した話も、まさにこれです。小学生どころか中学生年代の結果さえ、その先を決めませんでした。

「今」がすべてを決めるなら、努力する意味も、待つ意味もなくなってしまいます。でも実際は、「今」の後に、いくらでも変化のチャンスがある。だからこそ、今の結果で子どもの未来を判断する必要はないのです。


「今」の結果と、どう向き合うか

小学生年代の結果を、どう受け止めればいいか。整理します。

良い結果は、しっかり喜ぶ。でも保証とは思わない

結果を残したら、その頑張りは大いに喜んでいい。ただ、それが将来の約束ではないと知っておく。喜びつつ、期待を膨らませすぎないバランスです。

悪い結果に、未来を重ねない

今出られない、今下手に見える。それは「今」の話です。中学以降の変化を、その子はまだ通っていません。今の一枚の写真で、その子の物語を決めつけないでください。

変わらないものを大切にする

環境が変わっても持ち運べるもの。サッカーが好きだという気持ち、自分で考える力、続ける習慣。結果より、こうした土台の方が、変化の時代を生き抜く力になります。


まとめ

サッカー人生は、小学生では決まりません。市の上位に勝ち、選抜に選ばれた学年でさえ、中学に上がれば、環境の変化、体の成長、レベルの違いと、一から向き合うことになりました。

良い結果も、その後を保証しません。そして同じように、今の悪い結果も、その後を決めません。「今ダメ」なんて関係なくなるくらいの変化とチャンスが、この先に必ずあります。

だから、今の結果に一喜一憂しすぎなくて大丈夫です。喜ぶ時は喜び、でも未来はまだ何も決まっていないと知っておく。その余裕が、子どもをのびのびと成長させます。


【この記事を書いた人】

ぽこちパパ|Junior Football Base運営者

ジュニアサッカー指導歴25年以上。ブラジル・サンパウロでのサッカースクール設立・運営、Jリーグクラブスクールでの指導、女子チームや発達支援現場での活動を経験。現在はNPO法人を運営し、保護者支援や発達支援にも携わっています。

▶ぽこちパパのプロフィール
https://juniorfootballbase.com/profile/

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