試合に出られない期間が続くと、「スクールに通わせた方がいいのでは」と考える保護者は少なくありません。
実際、レギュラー争いをしている子や、もっと上手くなりたい子が併用しているケースもよく見ます。
ただ、スクールに通えば必ず試合に出られるようになるわけではありません。この記事では、スクール併用のメリットとデメリット、そして実際に見学して感じたことをお伝えします。
スクール併用は、万能な解決策ではありません
試合に出られない理由は、選手によって違います。
技術不足。判断力不足。フィジカル不足。メンタル面の課題。ポジション争い。チーム事情。理由はいくつも考えられます。
技術不足が原因であれば、スクールでのトレーニングが助けになることがあります。一方で、試合中の運動量や守備意識が課題であれば、スクールだけでは変わりにくいこともあります。
日本サッカー協会は、選手育成の基本理念として、目先の結果ではなく、選手が長期的にどれだけ成長できるかを重視する考え方を掲げています。
スクール選びも同じです。「今すぐ試合に出られるようになるか」ではなく、「今の課題に合っているか」で見る方が、長い目で見て力になります。
メリットとしては、個人技術の練習量を増やせること。違う指導者から新しい視点を得られること。チームで自信を失っていても、スクールで褒められる経験を積めることが挙げられます。
一方で、注意したい点もあります。チーム練習、スクール、自主練が重なると、疲労が蓄積しやすくなります。成長期は休養も大切な要素です。
また、子どもの課題と合わないスクールを選んでしまうと、大きな変化を得られないこともあります。有名かどうかより、今の課題に合っているかを見る方が大切です。
見学して感じた、あるスクールでの光景
以前、チームの子がスクールに通い始めたことがありました。
しばらくして、その子の様子や、保護者の話から、サッカーを嫌いになりかけているように感じました。気になったので、機会をつくって、そのスクールを見学に行きました。
そこは、かなりの人数の子どもを、複数のスタッフで指導するスクールでした。子どもの数はおよそ50人近く、スタッフは7〜8人ほど。スタッフのほとんどは、現役の選手でした。
見ていて感じたのは、プレーの良し悪しを見る目は確かにある一方で、子どもの表情や、その日の変化までは、見えていないように感じたことです。
その子は、言葉の強い別の子どもに、やりたくないポジションをやるよう言われていました。表情には、不安がにじんでいました。
この光景を見て、思ったことがあります。新しい環境に飛び込むこと自体は、悪いことではありません。合わない環境で少し我慢する経験にも、意味があることはあります。ただ、その結果サッカーが楽しくなくなってしまっては、本末転倒です。
経験の負荷と、楽しさを失うことは、別の話です
新しい環境になじむまでの緊張や、うまくいかない時間には、意味があると思っています。全てを快適にしてあげる必要はありません。
ただ、それは「楽しさの土台」がある上での話です。土台ごと崩れてしまうと、その経験はただ苦しいだけのものになってしまいます。
スクールを選ぶ時、技術指導の内容だけでなく、子どもの表情がどう変わっているかを、見学の中で確かめておく価値があります。
今日から試せる3つのこと
1. 体験や見学の日、技術より表情を見る
うまくできているかより、楽しそうにしているかを、まず見てみます。
2. 「楽しかった?」を、通い始めてからも聞き続ける
最初だけでなく、数週間後、数ヶ月後にも聞いてみます。
3. 合わないと感じたら、変える選択肢を持っておく
一度始めたら続けなければいけない、と決めつけない方が、子どものためになることがあります。
そのスクールは、誰のための選択でしょうか
「もっと上手くなってほしい」という願いは、間違いではありません。
ただ、その選択が、子ども自身にとっても前向きなものになっているか。一度、確かめてみてほしいと思います。
よくある質問
Q. スクールの見学では、何を見ればいいですか。
技術指導の内容だけでなく、指導者1人あたりが見ている子どもの人数や、子ども同士のやり取りの様子も見ておくと安心です。
Q. 子どもが「楽しくない」と言い出したら、すぐにやめさせるべきですか。
すぐに判断せず、まずは理由を聞いてみてください。新しい環境への戸惑いなのか、環境そのものが合っていないのかで、対応は変わります。
Q. チームとスクール、両方の指導方針が違う場合はどうすればいいですか。
無理に一致させる必要はありません。ただ、子どもが混乱している様子があれば、一度どちらかに絞ることも選択肢です。
まとめ
スクール併用は、試合に出られない時の選択肢の一つですが、万能な解決策ではありません。技術不足が原因であれば助けになりますが、それ以外の課題には効果が薄いこともあります。
以前、見学したスクールで、大人数の中、表情に不安をにじませてプレーしている子を見たことがあります。新しい環境の負荷そのものには意味がありますが、楽しさの土台まで崩れてしまっては、本末転倒です。
今日、もしスクールを検討しているなら、まず体験や見学の日に、技術より表情を見てみてください。
試合出場だけを目的にせず、子どもがサッカーを楽しめているかどうかを、判断の軸にしてほしいと思います。
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