コーチと保護者の距離感は、どれくらいがちょうどいいのか。
近すぎても遠すぎても、何か問題が起きるように感じることがあります。25年以上の指導経験の中で、今も向き合い続けているテーマについてお伝えします。
保護者との距離感について、一般的に言われること
まず、よく言われる考え方を整理します。
公平な態度を保つ
特定の保護者や選手を優遇していると受け取られないよう、公平さを意識することが大切だとされています。
適度な報告・連絡・相談を心がける
子どもの様子を伝える機会を作ることで、信頼関係が築きやすくなります。
プライベートと指導を分ける
指導者としての立場と、個人的な付き合いを混同しないことが推奨されます。
意見を聞く姿勢を持つ
保護者からの相談や意見に耳を傾けることが、良い関係につながるとされています。
これらは大切な視点です。ただ、実際の現場では、頭で分かっていても難しい場面が多くありました。
先輩コーチと保護者の距離が近かった経験
自分が初めてコーチを担当したチームでのことです。
先輩コーチが、ある特定の保護者ととても仲が良い関係にありました。
地元は狭く、サッカー指導以外の関係もあるのが普通の土地柄でした。だから、こういう関係性が生まれること自体は、珍しいことではありません。
ただ、それを良くないと感じている保護者もいました。
子どものことを考えた時、保護者に悪い印象を与えることはよろしくないと思いました。
距離を取りすぎた結果
自分が同じような状況にならないために、すべての保護者と同じ距離を取ろうと決めました。
結果として、必要なこと以外は話さない自分になってしまいました。
まだ若かった頃の話で、バランスを取ることがとても難しかったです。公平でいようとするあまり、逆に壁を作ってしまっていたのだと思います。
適切な距離感というのは、頭で理解しているつもりでも、実際に保つのは簡単ではありませんでした。
コーチ同士の距離感も難しい
保護者との距離感だけでなく、コーチ同士の関係も難しいと感じています。
チームに関わる人は、多くがボランティアです。かつて自分自身がそうであったように、自分の子どもがいないのに指導してくれているコーチには、感謝しかありません。
ただ、子どもにとって良くないと感じることがあれば、それは良くないことです。お互いに学び合ったり、意見を交換したりする姿勢が必要だと思っています。
リスペクトがあるからこそ、学び合う姿勢が大切になります。
それでも解決が難しい理由
しかし、それがうまくいかないこともあります。
本人が無意識にやっていることもあります。子どものことを思った結果の指導であることも多くあります。
だからこそ、意見の相違が起こった時、解決がとても難しくなります。相手を否定したいわけではない。でも、子どものために伝えなければいけないこともある。そのバランスに、今も悩んでいます。
正直に言うと、これは今も向き合い続けているテーマです。
保護者にできること
保護者側から見た時、コーチとの距離感で意識してほしいことがあります。
コーチが自分と距離を置いているように感じても、それが公平さを保とうとした結果であることもあります。逆に、コーチが親しく接してくれるからといって、必要以上に特別扱いを期待しないことも大切です。
分からないことがあれば、率直に聞いてみることをおすすめします。多くのコーチは、子どものために動いています。
まとめ
保護者とコーチの距離感は、簡単には答えが出ない難しいテーマです。
若い頃、先輩コーチと特定の保護者が親しくしている姿を見て、自分は距離を取りすぎる方向に振れてしまいました。必要なことしか話さない、そんな自分になってしまった時期がありました。
コーチ同士の関係にも、同じ難しさがあります。ボランティアへの感謝と、子どものために意見を交換する姿勢。そのバランスを取ることに、今も悩み続けています。
完璧な距離感というものは、おそらく存在しません。それでも、子どものために何が最善かを考え続けることが、コーチにも保護者にも大切なことだと思っています。
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