「自主練、面倒くさい。」
子どもがそう言った時、どう対応すればいいのか迷うことがあります。叱るべきか、放っておくべきか、無理にでもやらせるべきか。
実は、子どもが感じている「面倒くさい」は、大人が日常で感じている感情と何も変わりません。私自身の経験から、その向き合い方をお伝えします。
「面倒くさい」は誰にでもある普通の感情
疲れている。やりたくない。楽したい。
これは特別なことではなく、日常にある普通の感情です。子どもだけが面倒くさがっているわけではありません。大人も同じです。
私自身、家事が面倒だと感じることがあります。洗い物、洗濯、掃除。やらなければいけないと分かっていても、気持ちが乗らない日があります。
だからこそ、子どもの「面倒くさい」を頭ごなしに否定する必要はないと思っています。むしろ、その気持ちをどう動かすかを一緒に考える方が建設的です。
面倒くさい気持ちを動かす2つの方法
①ゲーム感覚にして楽しむ
面倒なことを、ゲームのように変えてしまう方法です。
例えば家事でいうと、部屋の掃除を「何分で終わらせるか」を計ってみる。洗濯をしながら、終わった後に奥さんが喜ぶ顔を想像する。洗い物をしながら、明日の朝が楽になることを思い浮かべる。
自主練も同じです。「10回連続で当てられるか」をゲーム化する。できたら小さなご褒美を用意する。面倒くさいという感情そのものを変えるのではなく、面倒くさいことの中に楽しさを見つける工夫です。
②メリットを具体的に想像する
もう一つは、その先にあるメリットを想像する方法です。
家の掃除をすれば、友達を呼べる。車の掃除をすれば、みんなで気持ちよくドライブできる。
自主練でいえば、「これができるようになったらトラップが上手くなる」「これができれば相手をドリブルで抜ける」という具体的なイメージです。
子ども一人では、ここまでイメージを膨らませるのは難しいものです。だから、親や指導者が気持ちをくすぐってあげる必要があります。
外発的動機から内発的動機へ
最初は、ご褒美や目標達成のような「外発的動機」で構わないと思っています。
ある程度できるようになってきたら、自主性をくすぐる声かけに変えていきます。
「あの選手も、こうやって練習してたのかな」
「こんなインタビュー動画見たよ」
そうやって、本人の中に「やりたい」という気持ちが芽生えてくると、外発的動機から内発的動機へと自然に移行していきます。最初は誰かに動かされていたものが、いつしか自分から動くようになる。その移行を支えるのが、親や指導者の役割だと思っています。
チームの「面倒なこと」への向き合い方
自主練だけでなく、チーム活動の中にも面倒なことがあります。
ベンチを運ぶ。ゴールを運ぶ。グラウンドを整備する。コートを作る。
こういった作業については、自主練とは少し違うアプローチをしています。責任の話をします。
気づいていない仲間がいたら、自分が見本を見せる。自分から動く。そうすることで、仲間も気づくようになり、視野が広がっていく。
面倒なことを自分から引き受けられるようになると、大変なことが大変ではなくなります。それが、心の強さにつながっていくと伝えています。
ちなみに、グラウンド整備で重いものを持つことも、見方を変えれば足腰のトレーニングになります。面倒だと思っていたことが、実は自分のためになっていると気づけば、面倒だという感覚そのものが弱くなっていきます。
自分自身の話
正直に言うと、私は人のためなら頑張れますが、自分のためには頑張れないタイプです。
面倒だと感じる家事も、奥さんの顔色をうかがったり、一緒にやったりすることで何とか向き合っています。
子どもも同じだと思っています。一人でやらせようとするより、誰かと一緒に取り組む方が、面倒くさいという気持ちは軽くなります。
まとめ
「面倒くさい」という感情は、子どもだけでなく大人にもある自然な感情です。それを否定するのではなく、どう動かすかを考えることが大切です。
ゲーム感覚にして楽しむ。具体的なメリットを想像する。最初は外発的動機でも構いません。続けるうちに、自分から動く内発的動機へと変わっていきます。
そしてチームの面倒な作業については、責任という視点で向き合う。自分から動けば、仲間にも伝わっていきます。
お子さんが「面倒くさい」と言った時、まずその気持ちを否定せず、一緒に乗り越える工夫を考えてみてください。それが、子ども自身の力になっていきます。
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