コーチはうちの子をどう見ているのだろう。他の保護者は、我が子の下手なプレーをどう思っているだろう。チームの中で、うちの子の序列は下がっていないだろうか。子どものサッカーなのに、周りの評価が気になって、試合を素直に楽しめない。そんな気持ちを抱えている方に向けて書きました。
この記事では、なぜ私たちは周りの評価がこれほど気になるのか、その正体を整理した上で、25年以上指導してきた立場から、評価との距離の取り方と、家庭で本当に大切なことをお伝えします。読み終える頃には、少し肩の荷が下りているはずです。
周りの評価が気になるのは、あなただけではない
まず、知っておいてほしいことがあります。
周りの評価が気になってしまうのは、あなた個人の弱さではありません。私は、日本の教育を受けてきた人の多くが、この特性を持っているのではないかと思っています。
小さい頃から、テストの点数で比べられ、通知表で評価され、周りと同じであることを求められてきました。「人からどう見られるか」を基準に行動する癖は、知らないうちに深く染みついています。
だから、我が子のサッカーでも、つい「周りからの評価」という物差しを使ってしまう。これは自然なことです。まず、自分を責めないでください。
周りの評価が気になる時、実際に起きていること
評価が気になる時、頭の中では何が起きているのか。整理してみます。
他人の頭の中を、勝手に想像している
「コーチはうちの子を下手だと思っているはず」「あの保護者は呆れているはず」。でも、それは想像です。実際に言われたわけではありません。多くの場合、相手はそこまで我が子のことを見ていません。
評価を、事実だと思い込んでいる
仮にコーチが今そう評価していたとしても、それは「今の時点の一つの見方」にすぎません。子どもは変わります。評価も変わります。今の評価を、確定した事実のように受け取る必要はありません。
評価の物差しが、他人に預けられている
一番の問題はここです。我が子が良い状態かどうかの判断を、コーチや他の保護者に委ねてしまっている。本来、我が子の成長を一番近くで見られるのは親のはずなのに、その物差しを手放してしまっています。
指導者として|保護者と一定の距離を取る理由
私自身、指導者として、保護者とは一定の距離を取るようにしています。
理由の一つは、評価を気にする特性が、多くの人にあると分かっているからです。近くなりすぎると、保護者は「コーチにどう思われているか」をさらに気にしてしまう。適度な距離を保つことが、かえって保護者の心を楽にすることもあると考えています。
ただし、距離を取ることには、気をつけていることがあります。
「2割増しで伝える」という工夫
家庭内の不穏な空気は、子どもにとって一番のマイナスだと思っています。
親が不安で、家の中がピリピリしている。それは、試合に出られないことよりも、コーチに評価されないことよりも、子どもの心に影を落とします。
だから、私は工夫していることがあります。
子どもに良い変化があった時、心配している保護者がいる場合には、いつもより2割増しで、その変化を伝えるようにしています(笑)。
嘘は言いません。本当にあった良い変化を、少し大きめに、しっかり言葉にして伝える。それだけで、保護者の不安が和らぎ、家庭の空気が変わります。そして家庭が明るくなることが、結局は子どもにとって一番いいのです。
親の不安は、子どもに伝染します。逆に、親の安心も、子どもに伝染します。
周りの評価が気になった時に、してほしいこと
評価が気になった時、試してほしいことを挙げます。
①「それは想像?事実?」と自問する
「コーチに評価されていない」は、言われた事実ですか、それとも想像ですか。多くは想像です。想像で落ち込む必要はありません。
②評価の物差しを、自分に取り戻す
コーチや他人の評価ではなく、自分の目で我が子を見てください。先週より成長したところ、楽しそうにしている瞬間。その物差しは、あなたの手の中にあります。
③家庭の空気を、最優先で守る
周りの評価より、家庭が安心できる場所であることの方が、何倍も子どもの成長に効きます。評価が気になった日こそ、家では明るくいてください。
④良い変化を、言葉にして伝える
コーチが2割増しで伝えるように、親も我が子の良い変化を言葉にしてください。子どもは、周りの評価より、親の言葉を聞いています。
まとめ
周りの評価が気になるのは、あなたの弱さではなく、多くの人が持つ特性です。まず、そのことを知ってください。
評価が気になる時、私たちは他人の頭の中を勝手に想像し、今の評価を確定した事実だと思い込み、判断の物差しを他人に預けてしまっています。その物差しを、自分の手に取り戻してください。
そして、周りの評価より、家庭の空気を優先してください。私がコーチとして良い変化を2割増しで伝えるのも、家庭を明るくすることが子どものためになると知っているからです。親の安心は、子どもに伝わります。今日、我が子の良かったところを一つ、言葉にして伝えることから始めてみてください。
▼ この記事と一緒に読まれています
- SNSを見て焦る時|「切り取られた瞬間」と比べていませんか
- 親の不安との向き合い方
- 子どもの結果を自分事にしない
- 他の保護者と比べてしまう時に知っておきたい5つの考え方
- トレセンに合格した子の親に共通すること
▼悩み別ガイドはこちら
・他の子と比べてしまう完全ガイド 他の子と比べてしまう親へ|子どもの成長を見守る完全ガイド「なんであの子は試合に出られるのに、うちの子は出られないんだろう…」「同じ学年なのに、こんなに差があるの?」「トレセンに…



コメント