このままで、この子は大丈夫だろうか。もっと何かしてあげるべきではないか。周りに置いていかれないか。子どものことを思うほど、漠然とした不安が湧いてきて、消えてくれない。そんな気持ちを抱えている方に向けて書きました。
正直に言うと、私はあまり不安を感じないタイプです。でも、それは何も考えていないからではありません。この記事では、私がなぜ大きな不安に飲まれずにいられるのか、その考え方をお伝えします。読み終える頃には、不安との距離が少し変わっているはずです。
親の不安について、一般的に言われること
まず、よく言われる向き合い方を整理します。
不安を否定しない
不安を感じること自体は自然です。「不安になってはいけない」と思うと、かえって苦しくなるとされます。
情報を遮断する
不安を煽る情報から距離を取ることで、心の平穏を保てると言われます。
コントロールできることに集中する
変えられない未来を心配するより、今できることに目を向ける方が建設的だとされます。
完璧を求めない
「良い親でなければ」というプレッシャーを手放すことが、不安の軽減につながると言われます。
どれも有効です。私の考え方も、根っこはここに近いところにあります。その中身をお話しします。
「環境を用意しなきゃ」とは思わない
私は、子育てにおいて「こんな環境を用意しなきゃ」「これを買い与えなきゃ」「これをさせなきゃ」と思ったことが、ほとんどありません。
高価な道具を揃える。人気のスクールに通わせる。人より早く始めさせる。そういう「してあげなきゃ」という焦りが、あまりないのです。
理由は後で書きますが、これらの多くは「未来への不安」から生まれる行動です。将来困らないように、今のうちに、と。でも私は、そこにあまり不安を感じません。
気にしているのは、内面的なこと
とはいえ、まったく何も気にしていないわけではありません。
私が常に気にしているのは、健康、栄養、そして非認知能力といった、内面的なものです。
ネガティブな性格になっていないか。自己肯定感が低くなっていないか。自分の意見が言えているか。目に見える技術や結果よりも、こうした心の土台の方を、ずっと気にかけています。
ただし、ここも「これをすれば大丈夫」という正解はありません。「こうしよう」と決めても、大抵うまくいきません。だから、その都度「こんな時どうする?」を子どもと相談しながら暮らしています。
不安を一人で抱えて対策を練るのではなく、子どもと一緒に、その時々で考える。これが我が家のスタイルです。
「今」を大切に生きる
なぜ、未来にあまり不安を感じないのか。
自分なりに考えると、「今」を大切に生きているからだと思います。
未来の不安を掻き立てる情報や思考は、ネットからもテレビからも、あの手この手で近づいてきます。「今やらないと手遅れ」「これができないと将来困る」。そういう声を、私はできるだけ思考の外に置くようにしています。
そして、こう考えています。
「今」がよければ、大抵の「未来」は大丈夫。
今、子どもが楽しそうにしている。今、健康でいる。今、自分の意見を言えている。その「今」が積み重なった先に、未来があります。今を犠牲にして未来に備えるより、今を大切にすることが、結局は一番の未来への備えになると思っています。
「今」と「未来」は繋がっている
「今」と「未来」という言葉を使いましたが、この2つは切り離されたものではありません。繋がっています。
未来は、「今」の延長線上にあります。だから、今日一日を大切に生きることが、そのまま未来を作っていきます。遠い未来を心配して今を曇らせるのは、順番が逆なのかもしれません。
そして、これは私自身の実感ですが、未来への漠然とした不安を消しているのは、自分で選択し、自分で決めて生きているという自信だと思っています。
自分の人生を、誰かに委ねるのではなく、自分で選んで生きている。その感覚があると、未来が不確かでも、「まあ、その時もどうにか選んでいくだろう」と思えます。この感覚を、子どもにも育ってほしいと思っています。
親の背中を見せるということ
だから、親にできることの一つは、こういう背中を見せることかもしれません。
不安に飲まれず、今を大切に、自分で選んで生きている。そんな親の姿を見て、子どもは「未来って、そんなに怖いものじゃないんだ」と学びます。
親が未来を不安がってばかりいると、子どもも未来を怖がるようになります。逆に、親が今を楽しんでいれば、子どもも今を生きられるようになります。
「今」を全力で生きる姿を見せること。それ自体が、子どもへの何よりの贈り物だと思っています。
不安が湧いてきた時に
それでも不安は湧いてきます。私にもあります。そんな時に思い出してほしいことを整理します。
①その不安は「今」のことか「未来」のことか
多くの不安は、まだ来ていない未来のことです。今この瞬間、子どもは案外元気にしていたりします。
②煽ってくる情報を、思考の外に置く
「今やらないと手遅れ」という声の多くは、不安を利用したものです。一度、距離を置いてみてください。
③今日一日、子どもは楽しそうか
未来の心配を一度脇に置いて、今日の子どもの表情を見てください。今がよければ、大抵は大丈夫です。
まとめ
親の不安の多くは、まだ来ていない未来を心配することから生まれています。「環境を用意しなきゃ」「させなきゃ」という焦りも、その表れです。
私が大きな不安に飲まれずにいられるのは、「今」を大切に生きているからだと思います。今がよければ、大抵の未来は大丈夫。未来は今の延長線上にあります。そして、自分で選んで生きているという自信が、未来への漠然とした不安を消してくれます。
不安が湧いてきたら、今日一日、子どもが楽しそうかを見てください。その「今」を積み重ねていくことが、一番確かな未来への備えです。そして、今を大切に生きる親の背中は、子どもにとって何よりの学びになります。
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