「辞めさせたくない。」
子どもが「サッカーを辞めたい」と言った時、多くの親御さんがこの感情を抱きます。今まで一緒に頑張ってきた。送迎も、応援も、全力でサポートしてきた。それだけに、辞めるという言葉は簡単には受け入れられません。
でも、その「辞めさせたくない」という気持ちは、本当に間違いなのでしょうか。
私自身も、親として同じ感情を経験しました。その時どう考え、どう行動したか。25年以上の指導経験と、親コーチとしての実体験からお伝えします。
「辞めさせたくない」という気持ちは間違いではない
まず伝えたいことがあります。
子どもにサッカーを続けてほしいと思うこと自体は、おかしくありません。サッカーを通じて成長してきた姿を見てきたからこそ、その可能性を信じたい。その気持ちは、愛情から来るものです。
問題は「辞めさせたくない」という感情そのものではなく、その感情をどう使うかです。
感情のまま引き止めるのか。それとも、子どものために何かを変えるのか。
そこに大きな違いがあります。
私が「辞めさせたくない」と感じた瞬間
私は常に「サッカーを続けるかどうかは本人が決めるべき」と思っています。指導者として長年現場を見てきて、それは今も変わりません。
ところが、息子のことでは違う感情を経験しました。
あるとき、息子の担当コーチがチームの代表になりました。その頃から、息子の様子が変わっていきました。サッカーを楽しんでいるというより、コーチの顔色をうかがうようになっていた。のびのびとプレーしていた姿が、少しずつ消えていきました。
このままサッカーを続けさせていいのか。でも、辞めさせたくない。
その葛藤の中で、私は一つの決断をしました。自分がコーチになることです。
息子のサッカー環境を変えるために、自分が動く。「辞めさせたくない」という感情を、行動に変えた瞬間でした。
「辞めさせたくない」をどう使うか
この経験から感じたことがあります。
「辞めさせたくない」という気持ちは、使い方次第で子どもの力になれます。
感情のまま引き止めると逆効果になることがある
「せっかくここまで頑張ったのに」「続ければ絶対上手くなる」という言葉は、親の不安から出ることが多いです。子どもはその言葉の奥にある感情を敏感に感じ取ります。
引き止められた子どもが、本当にサッカーを楽しめるかどうか。そこを考えてみてください。
「なぜ辞めたいのか」を知ることが先決
辞めたい理由によって、対応はまったく変わります。疲れているだけなのか。環境に問題があるのか。別にやりたいことが出てきたのか。
「辞めさせたくない」という感情があるからこそ、まず子どもの言葉に耳を傾けてほしいのです。
環境を変えるという選択肢もある
息子の場合、問題はサッカーそのものではなく、環境でした。だから解決策は「辞める」ではなく「環境を変える」でした。
チームを変える。スクールを併用する。コーチに相談する。「辞めるか続けるか」の二択だけではなく、第三の選択肢を探すことも大切です。
息子は今もサッカーを続けている
あの時、自分がコーチになるという決断をして、息子は今もサッカーを続けています。
あの時「辞めさせたくない」という感情がなければ、動かなかったかもしれない。その感情が、行動のきっかけになりました。
大切なのは、感情を否定することではありません。その感情をどこへ向けるかです。
まとめ
「辞めさせたくない」という気持ちは、間違いではありません。
ただ、その感情を子どもへの圧力にするのではなく、子どものために何ができるかを考えるエネルギーに変えてほしいと思います。
まず子どもの話を聞く。辞めたい理由を知る。そして環境を含めて一緒に考える。
その積み重ねが、親子にとっての本当のサポートになります。
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