子どもから突然「サッカー辞めたい」と言われて、実は友達関係が原因だった。そんなケースは少なくありません。
技術面や結果ばかりに目が行きがちですが、ジュニア年代では「誰とプレーするか」が、サッカーそのものと同じくらい大きな意味を持ちます。この記事では、友達関係が原因の場合の見分け方と、考え方を整理しました。
「誰とプレーするか」は、想像以上に大きな意味を持ちます
サッカーはチームスポーツです。だからこそ、子どもにとっては「サッカーが好きかどうか」だけでなく、「誰とプレーするか」も重要になります。
仲の良い友達が辞めてしまった。学校の友達がいないチームだった。グループに入りづらい。仲間外れにされていると感じる。大人から見ると小さな出来事に見えても、子どもにとっては大きなストレスになることがあります。
発達心理学を専門とする東洋大学の榎本淳子教授は、青年期の友人関係が自己概念の形成に深く関わっていることを指摘しています。友人との関わりは、単なる遊び相手というだけでなく、自分自身をどう捉えるかにも影響する時期がある、ということです。
保護者は「試合に出られないからでは?」と考えがちです。でも実際には、人間関係の悩みを隠しているケースもあります。子ども自身も理由をうまく説明できず、「なんとなく行きたくない」「もう辞めたい」としか言えないこともあります。まずは背景に何があるのかを、丁寧に確認することが大切です。
見逃したくない、いくつかのサイン
学校生活は問題ないのに、サッカーの日だけ元気がなくなる。以前は楽しそうに話していたチームメイトの名前が出なくなる。練習前になると、お腹が痛い、頭が痛いと言うことが増える。
こうした変化は、人間関係に限らず、何らかのストレスを抱えているサインかもしれません。
まず話を聞くこと、そして否定しないこと
「誰と何があったの?」と尋問のように聞くより、「最近何か気になることある?」と自然に話せる雰囲気を作る方が、本音が出やすくなります。
「気にしすぎじゃない?」「みんな同じだよ」と言いたくなることもあると思います。でも、子どもにとっては本当に苦しい問題である可能性があります。まずは「そう感じていたんだね」と受け止めることが大切です。
辞めることだけが、解決策ではありません
子どもの人間関係は、大人以上に変化します。学年が上がる、新しい仲間が入る、合宿や遠征をきっかけに仲良くなる。数ヶ月後には状況が変わっていることも珍しくありません。
一方で、長期間改善が見込めない場合は、スクールを併用する、別チームを見学する、といった方法もあります。「辞めるか続けるか」の二択ではなく、「環境を変えながら続ける」という考え方もあります。
友達関係が原因の場合、競技自体は好きなことも少なくありません。「サッカーが嫌いなのか」「今の環境が合わないのか」を分けて考えることが大切です。
「居場所があるかどうか」を、判断の軸にしています
普段、判断に迷う時に大切にしている考え方があります。安心できる場所があるから、人は挑戦できる、という考え方です。
サッカーの技術を伸ばす前に、まず安心して過ごせる場所になっているかどうか。友達関係の悩みは、まさにこの「居場所」の問題だと感じています。
技術的なアドバイスより先に、「ここにいていいんだ」と思える環境があるかどうか。そこを、まず確認したいと思っています。
以前、友達とのコミュニケーションが苦手だった子との経験から、居場所をつくることの大切さを強く感じました。その話は、サッカーを辞めたいと言われた時の親の対応でも触れています。
今日から試せる3つのこと
1. 「誰と何があったの?」より「最近どう?」で始める
尋問にならない聞き方を、意識してみます。
2. 「気にしすぎ」を、口にしない
小さく見える出来事でも、子どもにとっては大きいことがある、と前提を置きます。
3. 「辞める」以外の選択肢も、一緒に並べてみる
環境を変える、時間を置く、といった選択肢を、あらかじめ持っておきます。
その場所は、「安心していい」と思える場所でしょうか
技術が伸びるかどうかより先に、確かめたいことがあります。
その場所に、子どもは安心していられているでしょうか。
答えが分からなければ、それを確かめることが、最初の一歩になります。
よくある質問
Q. コーチに友達関係のことを相談してもいいのでしょうか。
大丈夫です。「最近、チーム内の関係で悩んでいるようで」と伝えると、コーチ側も配慮しやすくなります。
Q. 相手の子や保護者に、直接伝えた方がいいですか。
まずはコーチや指導者を通す方が、角が立ちにくいです。当事者同士だけで解決しようとすると、こじれることもあります。
Q. 友達関係が理由で移籍するのは、良くないことでしょうか。
良くないことではありません。環境を変えることで、サッカーを続けられるなら、それも一つの前向きな選択です。
まとめ
友達関係が原因でサッカーを辞めたいと言い出すことは、珍しくありません。ジュニア年代では、競技そのものよりも人間関係が大きな影響を与えることがあります。
判断に迷う時、大切にしているのは、安心できる居場所があるかどうかという視点です。技術より先に、その場所が安心していい場所かどうかを確かめること。それが、遠回りに見えて、一番の近道だと思っています。
今日、まずは「最近どう?」の一言から、話を聞いてみてください。
サッカーを続けるか辞めるかより大切なのは、子ども自身が安心して、納得して前に進めることです。
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