自主練に親はどこまで関わればいいのか。
アドバイスをしすぎると子どもがやる気をなくす、でもほったらかしでは上達しない。そのバランスに悩む保護者は多いと思います。
25年以上の指導経験と、自分自身が親コーチとして関わってきた経験から、感じていることをお伝えします。
親の関わり方として、一般的に言われること
まず、よく言われる考え方を整理します。
子どもの意思を尊重する
やりたいかどうかは子ども自身が決める。親が先に決めてしまわないことが大切とされています。
見守ることも関わること
何もしないのではなく、そばで見ていること自体が子どもの安心につながるとされています。
技術的なアドバイスはコーチに任せる
親が技術的な指摘をしすぎると、コーチとの指導が混乱することがあると言われています。
環境を整えることに集中する
用具を揃える、練習できる場所を確保する、といった環境面のサポートが親の役割とされています。
これらは間違っていません。ただ、「どこまで関わるか」の具体的な判断基準については、私なりの考え方があります。
伝えていい瞬間は2つが揃った時
私が指導しているチームでは、選手への自主練アドバイスについて、一つの基準を持っています。
次の2つが揃った時だけ、練習を提案するようにしています。
①もっとうまくなりたいという気持ちがある
②技術がなくてうまくいかなかった瞬間がある
この2つが重なった時に、「こういう練習をやったら、もっとやりたいことができるようになるかも」と伝えます。
それ以外の時は、基本的に言いません。
やる気がない時に伝えても届きません。うまくいかなかった経験がない時に伝えても、必要性を感じられません。この2つが重なった瞬間こそ、言葉が一番刺さります。
コーチ自身もできないボールタッチを課題にした話
一方で、関わり方を間違えるとどうなるかを示す経験もあります。
娘が所属するチームで、あるコーチが課題を出したことがありました。本人もできないボールタッチの動画を見つけてきて、レベル1からレベル5まで段階的な課題として選手に与えました。
向き合う時間は一時的に増えたかもしれません。
でも、レベル5まで達成できた子は一人もいませんでした。
コーチ自身もできない技術を課題にしてしまった。難易度が高すぎて、子どもたちが達成感を得られないまま終わってしまいました。
関わりすぎると何が起きるか
この出来事から感じたことがあります。
良かれと思って関わることが、逆に子どものやる気を奪ってしまうことがあります。
コーチが「これをやれば上手くなる」と思っても、受け取る側の子どもの状態に合っていなければ意味がありません。むしろ「自分にはできない」という感覚だけが残ってしまうことがあります。
関わる側の熱量と、受け取る側の準備が合っていること。それが、関わり方の質を決めると思っています。
親としての関わり方に置き換えると
この基準は、親の関わり方にもそのまま当てはまります。
子どもが「もっとうまくなりたい」と思っている時。そして「こういうことができなくて悔しい」という経験をした時。その2つが重なった瞬間が、アドバイスを伝えるタイミングです。
それ以外の時は、そっとしておく。見守る。環境を整える。それが、親にできる最大の関わり方だと思っています。
まとめ
親はどこまで自主練に関わるべきか。
私の基準は、「もっとうまくなりたい気持ち」と「うまくいかなかった経験」の2つが重なった時だけ伝えること。それ以外は基本的に言わないことです。
コーチ自身もできないボールタッチを課題にして、誰も達成できなかった経験からも感じています。関わる側の熱量より、受け取る側の準備に合わせることが大切です。
お子さんへの関わり方で迷った時、まず「今の子どもの状態はどうか」を確認してみてください。伝えていい瞬間かどうかが、そこに見えてくるはずです。
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