出場時間が少ない子の親が避けたい行動|「先回り」をやめた基準とは

親のサポート術

子どもの出場機会が少ないと、親としては何かしてあげたくなります。

もっと練習させた方がいいのか。コーチに相談した方がいいのか。持ち物の準備を手伝った方がいいのか。

良かれと思ってやっていることが、実は子どもの成長を妨げていることがあります。今回は、一般的に避けたいと言われる行動と、私自身が指導と子育ての中で行き着いた一つの基準についてお伝えします。


一般的に避けたいと言われる行動

まず、よく言われる「避けたい行動」を整理します。

1. 持ち物や準備を先回りして確認する

スパイク、水筒、着替え。忘れ物がないように、親が事前に全部チェックしてしまう。

2. 試合前にアドバイスをしすぎる

「今日はこうした方がいいよ」「あの選手に気をつけて」と、試合前に細かく指示を出してしまう。

3. コーチへの相談を先回りでしてしまう

子どもが困っていそうな時、本人より先に親がコーチに相談してしまう。

4. 結果が出る前に励ましすぎる

「今日も頑張ったね」「絶対大丈夫だよ」と、結果に関係なく先回りして安心させようとする。

5. 練習メニューや上達方法を親が決めてしまう

「次はこの練習をしよう」と、子ども自身が考える前に親がメニューを提示してしまう。

これらは、子どもが自分で考え、自分で動く機会を奪ってしまう可能性があると言われています。


私が行き着いた「先回りしていい基準」

ここからは、私自身の考え方です。

先回りすること自体が、全て悪いとは思っていません。ただ、自分の中で明確な基準を持っています。

「自分が先に伝えなかったことによって、子どもが死ぬ、または体に後遺症が残るレベルのことが起きる場合だけ、先に伝える。」

例えば、駐車場で遊びに夢中になって車に轢かれそうになる場面。川の深みにはまって水の事故につながりそうな場面。自分の身長より高い場所から落ちそうな場面。自分の体重より重いものが体にのしかかってきそうな場面。

これらは、取り返しがつきません。だから先回りして止めます。

それ以外は、基本的に全部失敗していい。そう決めています。


息子がトレセンの大会でスパイクを忘れた話

実際にあった話です。

息子がトレセンの大会の日、スパイクを忘れました。

事前に持ち物を全部確認していれば、防げたことかもしれません。でも私は、持ち物の最終チェックを息子に任せていました。

結果、現地で気づいて慌てることになりました。本人にとっては大きな失敗だったと思います。

でも、それでよかったと思っています。命に関わることでも、後遺症が残ることでもありません。準備の大切さを、痛い思いとともに学ぶ機会になりました。

もし私が先回りして「スパイク持った?」と毎回確認していたら、その失敗とそこから得る学びは、永遠に来なかったかもしれません。


なぜこの基準にたどり着いたのか

指導現場で長年子どもたちを見てきて感じるのは、失敗を経験していない子は、失敗した時に立ち直る力が育っていないということです。

親が先回りして失敗を防ぎ続けると、子どもは「自分で何とかする」という経験を積めません。準備をしなかったら困る、忘れ物をしたことを伝える、誰かに借りるなどして助けを求めたり、アイデアをもらう、ということを、身をもって学べないまま大きくなってしまいます。

出場時間が少ない時期も同じだと思っています。出られない理由を親が先回りして取り除こうとするより、子ども自身がその状況とどう向き合うかを見守ることの方が、長い目で見て力になります。


命や後遺症に関わることだけは別

繰り返しますが、命の危険や取り返しのつかない怪我につながる場面は別です。そこは親として先回りして止める責任があります。

でもサッカーの出場機会、持ち物の忘れ物、試合での失敗。これらは、命に関わることではありません。取り返しがつかないことでもありません。

その範囲であれば、失敗から学ぶ機会を奪わない方がいいと思っています。


まとめ

出場時間が少ない子の親が避けたい行動として、持ち物の先回り確認、過度なアドバイス、先回りの相談などがよく挙げられます。

私自身は、「命に関わるか、取り返しのつかない後遺症が残るか」という基準で、先回りするかどうかを決めています。それ以外は、基本的に全部失敗していい。

息子がトレセンの大会でスパイクを忘れた時も、慌てさせたまま見守りました。痛い経験ではありましたが、そこから学んだことは、親が先回りしていたら得られなかったものです。

お子さんの出場機会のことで何かしてあげたいと思った時、一度「これは命や後遺症に関わることか」を考えてみてください。それ以外であれば、失敗も含めて見守ることが、長い目で見て一番の力になります。


【この記事を書いた人】

ぽこちパパ|Junior Football Base運営者

ジュニアサッカー指導歴25年以上。ブラジル・サンパウロでのサッカースクール設立・運営、Jリーグクラブスクールでの指導、女子チームや発達支援現場での活動を経験。現在はNPO法人を運営し、保護者支援や発達支援にも携わっています。

▶ぽこちパパのプロフィール
https://juniorfootballbase.com/profile/

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