出場時間が少ない子の親が避けたい行動|「先回り」をやめた基準とは

親のサポート術

子どもの出場機会が少ないと、親としては何かしてあげたくなります。

もっと練習させた方がいいのか。コーチに相談した方がいいのか。持ち物の準備を手伝った方がいいのか。

良かれと思ってやっていることが、実は子どもの成長を妨げていることがあります。この記事では、一般的に避けたいと言われる行動と、私自身が指導と子育ての中で行き着いた、先回りしていい基準についてお伝えします。

一般的に避けたいと言われる5つの行動

1. 持ち物や準備を先回りして確認する

スパイク、水筒、着替え。忘れ物がないように、親が事前に全部チェックしてしまう。

2. 試合前にアドバイスをしすぎる

「今日はこうした方がいいよ」と、試合前に細かく指示を出してしまう。

3. コーチへの相談を先回りでしてしまう

子どもが困っていそうな時、本人より先に親がコーチに相談してしまう。

4. 結果が出る前に励ましすぎる

結果に関係なく、先回りして安心させようとする。

5. 練習メニューや上達方法を親が決めてしまう

子ども自身が考える前に、親がメニューを提示してしまう。

文部科学省が公開している幼児教育の資料では、我慢したり、気持ちを切り替えたりしながら物事に向き合う経験の大切さが指摘されています。また、文部科学省の中央教育審議会がまとめた資料では、意欲や情動、社会性に関わる力を「非認知能力」と位置づけ、学力とは別に育んでいくべき力としています。

こうした力は、テストの点数のように直接測れるものではありません。でも、うまくいかない場面をどう乗り越えるかという経験の積み重ねの中で育っていくと考えられています。

先回りしてつまずきを取り除き続けると、この経験を積む機会そのものが減ってしまいます。

息子がトレセンの大会でスパイクを忘れた話

実際にあった話です。

息子がトレセンの大会の日、スパイクを忘れました。

持ち物の最終チェックは、本人に任せていました。事前に私が確認していれば、防げたかもしれません。

結果、現地で気づいて慌てることになりました。本人にとっては、大きな失敗だったと思います。

でも、それでよかったと思っています。

命に関わることでも、後遺症が残ることでもありません。準備の大切さを、痛い思いとともに学ぶ機会になりました。

もし私が先回りして「スパイク持った?」と毎回確認していたら、その失敗も、そこから得る学びも、来なかったかもしれません。子どもを信じて待つという考え方についても、別の記事で詳しく触れています。

「先回りしていい基準」は、命に関わるかどうかだけです

私が行き着いたのは、シンプルな基準です。

「自分が先に伝えなかったことで、子どもが死ぬ、または体に後遺症が残るレベルのことが起きる場合だけ、先に伝える。」

駐車場で車に轢かれそうな場面。川の深みにはまりそうな場面。自分の身長より高い場所から落ちそうな場面。こうした場面は、取り返しがつきません。だから先回りして止めます。

それ以外は、基本的に全部失敗していい。そう決めています。

指導現場で長年子どもたちを見てきて感じるのは、失敗を経験していない子は、失敗した時に立ち直る力が育っていない、ということです。

準備をしなかったら困る。忘れ物をしたことを自分で伝える。誰かに借りる。そうやって自分で何とかする経験を、身をもって学べないまま大きくなってしまうことがあります。

出場時間が少ない時期も同じです。出られない理由を親が先回りして取り除こうとするより、子ども自身がその状況とどう向き合うかを見守ることの方が、長い目で見て力になります。

今日から試せる3つのこと

1. 「これは命や後遺症に関わることか」を一度自分に聞く

先回りしたくなった時、まずこの基準に照らしてみます。

2. 持ち物チェックを、子ども自身の担当にする

最初は失敗するかもしれません。それでいいという前提で任せます。

3. 忘れ物をした時、まず本人にどうするか聞く

親が解決策を出す前に、「どうする?」と聞いてみます。

その先回りは、誰のための行動でしょうか

先回りしたくなる時、それは子どものためでしょうか。それとも、自分自身が心配で落ち着かないからでしょうか。

どちらもあっていいと思います。ただ、一度区別してみると、次の行動が変わることがあります。

よくある質問

Q. 何度も同じ忘れ物をする場合も、見守るべきですか。

繰り返す場合は、一緒に対策を考えるタイミングかもしれません。ただしその時も、対策を親が決めるのではなく、本人に考えさせる形が望ましいです。

Q. 先回りをやめたら、子どもが傷つかないか心配です。

命や後遺症に関わらない範囲の失敗は、傷というより経験です。フォローは、失敗した後の声かけで十分にできます。

Q. コーチへの相談も、子どもに任せるべきですか。

年齢や状況によります。低学年のうちは親のサポートが必要な場面もあります。ただ、本人が言えそうな内容であれば、まず本人に任せてみる価値はあります。

まとめ

出場時間が少ない子の親が避けたい行動として、持ち物の先回り確認や、過度なアドバイス、先回りの相談などがよく挙げられます。

私自身は、「命に関わるか、取り返しのつかない後遺症が残るか」という基準で、先回りするかどうかを決めています。それ以外は、基本的に全部失敗していい。

息子がトレセンの大会でスパイクを忘れた時も、慌てさせたまま見守りました。痛い経験でしたが、そこから学んだことは、先回りしていたら得られなかったものです。

今日、何かしてあげたいと思った時は、まず「これは命や後遺症に関わることか」を考えてみてください。

それ以外であれば、失敗も含めて見守ることが、長い目で見て一番の力になります。


【この記事を書いた人】

ぽこちパパ|Junior Football Base運営者

ジュニアサッカー指導歴25年以上。ブラジル・サンパウロでのサッカースクール設立・運営、Jリーグクラブスクールでの指導、女子チームや発達支援現場での活動を経験。現在はNPO法人を運営し、保護者支援や発達支援にも携わっています。

▶ぽこちパパのプロフィール
https://juniorfootballbase.com/profile/

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