「うちの子、サッカーを楽しんでいない気がする。」
未就学児のお子さんを持つ保護者の方から、このような相談を受けることがあります。
実際、私も同級生の子どもがサッカー体験に来ている様子を見て、同じように感じた経験があります。
その子はサッカーを嫌がっているわけではありませんでした。しかし、積極的にボールを追いかけるわけでもなく、途中で虫を探したり遊具へ向かったりしていました。
最初は「サッカーが好きじゃないのかな」と思うかもしれません。
しかし未就学児の場合、大人が考える「サッカーを楽しむ」と子どもが感じる楽しさは違うことがあります。
今回は実際の体験談をもとに、子どもがサッカーを楽しんでいないように見える理由と、大人ができる関わり方についてお伝えします。
同級生の子どもがサッカー体験に来ていた
その子は年中で、5月頃からチームの体験練習に参加していました。
私は自分の担当カテゴリーの指導があったため、しばらく様子を見ることができませんでした。
そして久しぶりにグラウンドへ行った日。
その子は私を見つけると、満面の笑顔で駆け寄ってきました。
実は地元の幼稚園のサッカー教室で何度か会っていたため、友達だと思ってくれていたようです。
そして会った瞬間から、ずっとパンチをしてきます。
私はそのパンチを全部受け続けました。
サッカーの話はほとんどしません。
それでも本人はとても楽しそうでした。
その様子を見ながら、私はあることを感じました。
サッカーを楽しんでいないように見えても問題とは限らない
その子は練習中、
- 虫を探し始める
- 遊具へ向かう
- ふらふら歩く
- ボールより周囲が気になる
という場面がありました。
大人から見ると、
「集中していない」
「サッカーに興味がない」
と見えるかもしれません。
しかし未就学児では珍しいことではありません。
むしろ自然な姿とも言えます。
なぜなら、この年代の子どもたちは興味の対象が次々と変わるからです。
サッカーだけに集中し続けることのほうが難しい場合もあります。
そのため、
「サッカーを楽しんでいない」
とすぐに判断する必要はないかもしれません。
まずは年齢相応の行動なのかを考えてみることが大切です。
未就学児は必ずしもサッカーをしに来ているわけではない
ここは大人が見落としやすいポイントです。
未就学児の多くは、
「サッカーが上手くなりたい」
と思って通っているわけではありません。
もちろんそういう子もいます。
しかし実際には、
- 友達がいるから
- 楽しい雰囲気だから
- 外で遊べるから
- コーチが好きだから
という理由のほうが多いこともあります。
今回の子もそうでした。
よく見ると、その子自身がサッカー好きというよりも、同級生の友達がサッカーを好きだったのです。
本人は友達と一緒にいることが楽しい。
だからグラウンドへ来ている。
そんな印象を受けました。
これは決して悪いことではありません。
むしろ未就学児としては自然な参加理由だと思います。
私が意識したのは「サッカーをさせること」ではなかった
その日、私は無理にサッカーへ戻そうとしませんでした。
なぜなら本人が楽しそうだったからです。
一緒に虫を見ました。
遊具の話もしました。
たくさんパンチも受けました。
もちろん私も少しだけパンチを返しました。
すると、その子は終始笑顔でした。
もしそこで、
「ちゃんと練習しよう」
「サッカーやらなきゃダメだよ」
と言い続けていたらどうだったでしょうか。
もしかすると楽しい時間ではなくなっていたかもしれません。
未就学児の段階では、サッカーを教えること以上に、
「ここは楽しい場所だ」
と思ってもらうことが大切な場合があります。
サッカーが楽しくなれば、子どもは自然とボールのある場所へ戻っていくことも少なくありません。
子どもがサッカーを楽しむために大人ができること
子どもの目的を理解する
大人はどうしても、
「サッカーを習わせている」
という意識を持ちます。
しかし子どもの目的は違うことがあります。
まずは、
「何が楽しくて来ているのかな?」
という視点で見てみるのがおすすめです。
結果を急がない
未就学児は成長段階に大きな個人差があります。
ボールを追いかけることよりも、
- 人と関わる
- 走る
- 遊ぶ
ことが楽しい時期もあります。
焦らず見守ることも大切です。
楽しい雰囲気を作る
子どもがまた来たいと思える環境は大きな財産です。
技術指導だけでなく、
- 笑顔
- 安心感
- 仲間との関わり
もサッカーを続ける理由になります。
練習後に届いたLINE
練習が終わった後。
その子のお父さんからLINEが届きました。
「初めて楽しかったって言ってる」
「ありがとうございました🙏」
という内容でした。
私は特別なことをしたつもりはありません。
ただ一緒に遊んだだけです。
それでも、その子にとっては楽しい時間だったのかもしれません。
そして私は改めて感じました。
未就学児のサッカーは、まず好きになることが大切なのだと。
上手くなることは、その後でも遅くないのだと思います。
まとめ
子どもがサッカーを楽しんでいないように見えると、保護者は不安になるものです。
しかし未就学児の場合、
- 虫に興味を持つ
- 遊具で遊ぶ
- 友達に会いに来る
という行動は珍しくありません。
むしろ自然な成長過程とも言えます。
今回の体験を通じて感じたのは、
- 子どもの楽しさは大人と違う
- サッカーが目的ではない場合もある
- 無理にやらせるより環境づくりが大切
- 楽しければ自然とサッカーへ戻ってくることもある
ということでした。
未就学児年代では、「上手くなること」よりも「また来たいと思えること」のほうが重要な場合があります。
もしお子さんがサッカーを楽しんでいないように見えたら、まずは何を楽しみにグラウンドへ来ているのかを見つめてみてください。
そこに、サッカーを好きになるヒントが隠れているかもしれません。
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