トレセンに合格した子の親に共通すること|25年の指導経験と保護者会で気づいたこと

親のサポート術

「うちの子、トレセンに選ばれるかな」

「選ばれなかったらどうしよう」

「あの子が選ばれてうちの子が選ばれないのはなぜ?」

ジュニアサッカーをしていると、トレセン(地域選抜の選考活動)への関心は自然と高くなります。選ばれるかどうかが、子どもの実力の証明のように感じることもあるかもしれません。

でも、25年以上の指導経験と、息子のトレセン活動を親として見てきた経験から、少し違う視点をお伝えしたいと思います。

大切なのは「合格するかどうか」より「合格する子の親がどう関わっているか」かもしれない、ということです。


練習会で見たこと

煽るコーチがいた

息子がトレセンの練習会に参加した時のことです。

練習会では、途中の採点結果を子どもに伝えてはいけないというルールがありました。しかし、あるチームのコーチが、そのルールを破った上で子どもを煽るような声かけをしていました。

「お前、今何点か知ってるか」

そういう言葉が、緊張している子どもにどう響くか。選考中の子どもにとって、それがどれだけのプレッシャーになるか。

指導者として、その場面は今も記憶に残っています。

声かけの違いが結果に出る

直接的すぎる声かけ、判断を奪うような指示、プレッシャーをかける言葉。練習会の場で、そういった関わり方をするコーチや保護者がいました。

子どもは緊張した環境の中で、自分で判断してプレーする必要があります。その瞬間に「ああしろ、こうしろ」という声が飛んでくると、自分の判断を信じることができなくなります。


保護者会で感じたこと

合格した子の親の空気が違った

息子が合格した後、保護者会がありました。

そこで感じたのは、集まっている親御さんたちの「空気」でした。

熱心さは全員にありました。子どものサッカーへの関心も高い。でも、判断を奪うような声かけをする方はほぼいない。子どもを見守る姿勢が、自然と滲み出ている保護者が多かった印象です。

熱心さの方向が、「指示する」ではなく「見守る」になっていた。

妻が気づいたこと

帰り道、妻がこう言いました。

「練習会の時は、金髪とか茶髪とか、見た目が派手な親御さんがけっこういたよね。でも保護者会に来た人たちには、ほとんどいなかった」

言われて気づきました。確かにそうでした。

これは外見を判断しているわけではありません。妻が感じたのは、「雰囲気の違い」だったと思います。練習会の時の熱気と、合格後の保護者会の落ち着き。その違いが、外見という形でも見えていた、ということかもしれません。

あくまで一つの観察ですが、「子どもを支える親の姿勢」というものが、様々な形で滲み出るのだと感じた瞬間でした。


トレセンに選ばれる子の親に共通すること

現場で見てきた経験から、感じていることがあります。

判断を子どもに委ねている

サッカーは判断のスポーツです。次の瞬間どこにパスするか、ドリブルで仕掛けるか、シュートを打つか。その判断を自分でできる子が、選考の場でも力を発揮します。

日頃から「自分で決める」経験を積んでいる子は、プレッシャーのかかる場面でも自分を信じてプレーできます。

親が先回りして答えを出す環境で育った子は、その瞬間に迷いやすい。

結果より過程を見ている

トレセンに合格することが目的になっている家庭と、子どもの成長を見守ることを大切にしている家庭では、関わり方が変わってきます。

「合格したのか」ではなく「どんなプレーができたか」「どんなことを感じたか」を聞く親の子どもは、結果に関わらず成長しやすい印象があります。

子どものサッカーを楽しんでいる

熱心さは大切です。でも、熱心さが「結果への執着」になると、子どもに伝わります。

合格後の保護者会で感じた落ち着きは、「子どものサッカーを一緒に楽しもうとしている」空気でもありました。


トレセンに入れなくても、失うものは何もない

率直に言います。

トレセンに選ばれることは、一つの評価です。でも、選ばれなかったことで子どもの可能性が閉じるわけではありません。

トレセンに選ばれなかった子が、その後大きく成長した場面を何度も見てきました。逆に、選ばれても伸び悩む子もいます。

大切なのは、今の評価より、続けていける環境と向き合い方です。

そして、子どもが「また挑戦したい」と思える関わり方を親がしているかどうか。それがトレセンへの不安より、はるかに重要だと思っています。


まとめ

トレセンへの不安は自然なことです。でも、「合格するかどうか」より「合格した子の親がどう関わっているか」に目を向けると、見えてくることがあります。

判断を子どもに委ねること、結果より過程を見ること、子どものサッカーを一緒に楽しむこと。保護者会で感じた空気は、そういったことの積み重ねから生まれていた気がします。

練習会で煽られた子ども、判断を奪われた子どもがどうなったか。それを現場で見てきたからこそ、声を大にして言いたいことがあります。

子どもを信じて、見守ること。それが、トレセンへの不安に対する一番の答えだと思っています。


【この記事を書いた人】

ぽこちパパ|Junior Football Base運営者

ジュニアサッカー指導歴25年以上。ブラジル・サンパウロでのサッカースクール設立・運営、Jリーグクラブスクールでの指導、女子チームや発達支援現場での活動を経験。現在はNPO法人を運営し、保護者支援や発達支援にも携わっています。

▶ぽこちパパのプロフィール
https://juniorfootballbase.com/profile/

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