「JFAの指導者資格って意味があるの?」
保護者の方からそう聞かれることがあります。
私自身、20年前にJFA指導者資格を取得しました。しかし更新を忘れ、残高不足による手続き漏れで資格は失効。その後、昨年あらためて講習を受講し直しました。
正直に言うと、受講前は「基本的な内容だろう」と思っていました。
ところが実際は違いました。
サッカーの技術指導だけではなく、発育発達、子どもの権利、ハラスメント防止など、現代の子どもたちを指導するうえで欠かせない内容が数多く盛り込まれていたのです。
今回は20年前との違いも含めて、なぜ私が「JFA指導者資格は優秀だ」と感じたのかをお伝えします。
JFA指導者資格とはどんな資格なのか
JFA指導者資格とは、日本サッカー協会が認定する指導者ライセンスです。
ジュニア年代では主に以下の資格があります。
主な指導者資格
- D級コーチ
- C級コーチ
- B級コーチ
- A級コーチ
- S級コーチ
多くの少年団や地域クラブで活動する指導者はD級またはC級を取得しています。
特にD級は「子どもを指導する入口」として位置づけられています。
サッカー経験が豊富な人だけでなく、
- 保護者コーチ
- 少年団指導者
- サッカー経験がない指導者
でも学びやすい内容になっています。
D級コーチ資格を持っていないと出場できない大会がある
あまり知られていませんが、地域によっては指導者資格の保有が参加条件になっている大会があります。
この仕組みはとても良いと思う
理由は単純です。
子どもを指導する以上、最低限の共通理解が必要だからです。
例えば、
- 子どもの発育発達
- 安全管理
- 指導方法
- コミュニケーション
これらを全く学ばずに現場へ立つのと、一度でも学んでから立つのとでは大きな差があります。
もちろん資格を持っているだけで良い指導者になれるわけではありません。
しかし「学ぶ機会を必ず作る」という仕組み自体は非常に価値があると感じています。
20年前と比べて大きく変わった内容
私が最も驚いたのは講習内容の変化でした。
20年前は技術や戦術の話が中心だった印象があります。
しかし現在はそれだけではありません。
発育発達について深く学べる
子どもは大人のミニチュアではありません。
年齢によって、
- 理解力
- 集中力
- 身体能力
- 感情のコントロール
は大きく異なります。
そのため大人の基準で評価してしまうと、子どもの成長を妨げてしまうことがあります。
「できない」のではなく、
「まだその段階ではない」
という考え方を学べるのは非常に大きいと感じました。
子どもの権利について学べる
個人的に特に印象的だったのがこの部分です。
子どもには、
- 安全に活動する権利
- 尊重される権利
- 意見を持つ権利
があります。
以前は「指導者が正しい」という考え方が一般的でした。
しかし現在は、
「子どもを中心に考える」
という視点が重視されています。
これはサッカーだけではなく、教育全体の流れとも一致しています。
ハラスメントは減ったがプレーヤーズファーストはまだ足りない
ここは私自身が現場で感じていることです。
昔と比べると、
- 怒鳴る
- 叩く
- 威圧する
といった指導はかなり減りました。
それはJFAの取り組みや社会全体の変化による部分も大きいと思います。
しかし本当の意味でのプレーヤーズファーストはまだ難しい
プレーヤーズファーストとは、
「大人の都合ではなく選手を中心に考える」
という考え方です。
ところが現場では、
- 勝利を優先する
- 指導者の理想を押し付ける
- ミスを極端に嫌う
といった場面を今でも見かけます。
もちろん悪意があるわけではありません。
子どもを成長させたい気持ちが強いからこそ起こるケースもあります。
ただ、その結果として子どもが考えなくなったり、指示待ちになったりすることがあります。
ここはまだ改善の余地が大きい部分だと思います。
「理解している」と「相手の立場になる」は全く違う
私が再受講して最も考えさせられたのはこの点でした。
講習を受けると、
「子どもを尊重しましょう」
という話を学びます。
多くの指導者はそれを理解しています。
しかし実際の現場になると簡単ではありません。
頭で分かることと実践は別
例えば試合中。
指導者は
「なぜそのプレーをしたんだ」
と思うことがあります。
でも子どもからすると、
- 周りが見えていなかった
- 緊張していた
- 判断する余裕がなかった
ということもあります。
子どもの立場に立つことは、思っている以上に難しいのです。
私自身も何度も反省してきました。
だからこそ資格講習で学ぶ内容は、受講した瞬間ではなく、その後の現場で何度も思い出す価値があると感じています。
JFA指導者資格は保護者にも役立つ
資格取得は指導者だけのものではありません。
保護者の方にも学びになる内容がたくさんあります。
保護者が学べること
- 子どもの発達段階
- 適切な声かけ
- 長期的な育成
- 子どもの権利
- サッカーとの関わり方
試合の結果だけに一喜一憂しなくなったり、
「今は成長途中なんだな」
と考えられるようになったりします。
子どもを支える視点が広がるという意味でも価値のある学びだと思います。
まとめ
JFA指導者資格を20年ぶりに取り直して感じたのは、内容そのものは非常に進化しているということでした。
特に、
- 発育発達
- 子どもの権利
- ハラスメント防止
- プレーヤーズファースト
といった現代の育成に欠かせない考え方がしっかり盛り込まれています。
一方で課題もあります。
講習で学んだ内容が、まだ十分に現場へ浸透しているとは言えません。
「理解している」と「実践できる」は別だからです。
だからこそ資格の価値は、取得した瞬間ではなく、その後の現場でどれだけ活かせるかにあるのだと思います。
私自身もまだまだ勉強中です。
それでも20年前と比べて確実に前進していると感じています。
子どもたちがもっとサッカーを楽しめる環境になることを願いながら、これからも学び続けたいと思います。
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