今日は少し個人的な話を書こうと思います。
私は25年以上前に少年サッカーの指導を始めました。
その後、南米放浪やサッカースクール、女子チーム、NPO法人の設立などの活動もあり、地元チームの現場を離れていましたが、息子がサッカーを始めたことをきっかけに、再びグラウンドへ戻ることになりました。
実は、最初からコーチをするつもりはありませんでした。
むしろ、しないと決めていました。
親コーチになる難しさを知っていた
私は昔から、
「親は自分の子どものことになると冷静でいられなくなる」
ということを知っていました。
良かれと思って言った言葉がプレッシャーになったり、
つい結果を求めてしまったり。
だから息子が入団した時は、あえて指導には関わりませんでした。
まずは一人の保護者として見守ろう。
そう考えていました。
少しずつ変わっていった息子
ところが、ある時から息子の様子が変わり始めました。
練習中も試合中も、
プレーの後にコーチの顔を見るのです。
パスを出した後。
ドリブルをした後。
ディフェンスで抜かれた後。
まずボールを見るのではなく、コーチを見る。
「今のプレーは正しかったのかな」
そんな確認をしているように見えました。
サッカーを楽しめていなかった
以前の息子は違いました。
失敗しても笑っていました。
思い切りドリブルしていました。
自分で考えてチャレンジしていました。
でもその頃は、
失敗しないこと
怒られないこと
正解を探すこと
が優先になっていました。
サッカーをしているのに、楽しそうに見えなかったのです。
指導していたコーチは熱心な方だった
誤解してほしくないのですが、
当時指導していたコーチは決していい加減な方ではありません。
むしろ逆です。
とても勉強熱心でした。
海外へ学びに行くほど熱心で、
サッカーの知識も豊富でした。
私なんかより、はるかに多くのことを知っています。
戦術も理論も理解していました。
でも子どもの表情までは見ていなかった
ただ一つだけ。
子どもたちの表情には、あまり目を向けていませんでした。
選手が何を感じているのか。
何に悩んでいるのか。
どんな声掛けなら前向きになれるのか。
そこよりも、
正しいプレー
正しい判断
正しい戦術
を求めていたように感じます。
もちろん、それも大切です。
しかし小学生年代では、
「正しいプレー」より先に
「またサッカーをしたい」
と思えることの方が大切だと私は考えています。
コーチに戻る決断をした
息子の様子を見て、
私はコーチに戻ることを決めました。
正直、迷いました。
親コーチの難しさも知っています。
余計な口出しになるかもしれない。
息子に嫌がられるかもしれない。
それでも、
サッカーを嫌いになってほしくなかった。
その気持ちが勝ちました。
親コーチとして失敗もたくさんした
もちろん失敗もしました。
練習後に言い過ぎたこともあります。
試合の帰り道で反省したこともあります。
息子とケンカになったこともあります。
親コーチは本当に難しい。
だから今でも、
親コーチを全員におすすめするつもりはありません。
それでも決断は間違っていなかったと思う
私たちのチームは市内でも下位リーグに所属する小さな少年団です。
強豪ではありません。
スクールにも通っていません。
特別な環境でもありません。
それでも今、
息子はサッカーが好きです。
試合が終わってもボールを蹴っています。
テレビでサッカーを見ています。
自分でプレーを考えています。
そしてチームとしても、十数年ぶりにトレセン選手に選ばれることができました。
結果以上にうれしいのは、
サッカーを好きでいてくれていることです。
子どもが楽しめているかを大人は忘れやすい
大人はどうしても結果を見ます。
勝った。
負けた。
選ばれた。
選ばれなかった。
でも子どもにとっては、
今日もサッカーが楽しかった
また明日もやりたい
まずはそれが大事です。
楽しむだけでは上手くならない。
それも事実です。
しかし、楽しめなくなった子どもは成長も止まってしまいます。
最後に
私は指導者を否定したいわけではありません。
むしろ多くの指導者に感謝しています。
ただ、
どれだけ知識があっても
どれだけ戦術を知っていても
目の前の子どもが笑顔を失っていたら立ち止まってほしい。
そう思います。
私自身も失敗ばかりです。
だからこそ今も学び続けています。
もし今、
「最近うちの子、楽しそうじゃないな」
と感じている保護者の方がいたら、
技術や結果より先に、
まず子どもの表情を見てあげてください。
そこに大切なサインが隠れているかもしれません。
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