ジュニアサッカーで子どもを怒鳴って後悔した話|試合後に親が意識したい関わり方

コラム

「あの時のことを、私は今も忘れません」

息子が5歳の頃、プールの帰り道の車の中で、感情のままに怒鳴ってしまったことがあります。息子はその出来事を覚えていません。覚えているのは、怒鳴った私の方だけでした。この記事では、その経験から今も意識している、試合や練習後の関わり方について整理しました。子どもへの言葉に迷った時、参考にしていただければと思います。

怒りは、長くは続きません

カッとなって強い言葉が出てしまう瞬間は、多くの親に覚えがあるはずです。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会は、怒りの感情が高ぶった瞬間に反射的に言い返すのではなく、数秒ほど間を置くことで、衝動的な言葉を抑えやすくなるとしています。怒りそのものをなくす方法ではなく、最初の数秒をやり過ごすことで、後から悔やむ言葉を減らせる、という考え方です。

試合や練習の後は、この最初の数秒が特に危険な時間です。子どもの結果に自分の感情を重ねてしまい、言葉が先に出てしまうことがあります。この感情がどこから来ているのかは、なぜ親は試合後に厳しく言ってしまうのか?でも詳しく整理しています。

もう一つ意識したいのが、話す時の姿勢です。一般社団法人スポーツリレーションシップ協会代表理事の藤代圭一氏は、子どもに「教える」のではなく「問いかける」ことで、考える力を引き出す指導法を提唱しています。結論を先に渡すのではなく、「監督はどこを見てると思う?」「今のチームで求められてる役割って何だろう?」といった問いを渡すことで、子ども自身が考え始めます。子どもが前向きになる質問については、こちらでも詳しく紹介しています。

正論を押しつけられた子どもは、反発するか、考えるのをやめてしまいます。逆に、問いという形で渡された言葉は、子どもの中に残り、自分で答えを探し始めるきっかけになります。

忘れられない、あの日のこと

実は、私も感情的になってしまった経験があります。

息子が5歳の頃、プールからの帰り道でした。車の中で、些細なことがきっかけで、感情のままに怒鳴ってしまいました。

今でもその時のことを覚えています。ハンドルを握りながら、大きな声を出してしまった自分を。

けれど、当の息子はその出来事を覚えていません。後になって聞いても、「そんなことあった?」という反応でした。覚えているのは、怒鳴った私の方だけだったのです。

この経験から、一つ決めたことがあります。感情に任せて怒鳴らない、ということです。子どもは案外、その瞬間の言葉自体は忘れてしまうかもしれません。それでも、繰り返せば、少しずつ何かが積み重なっていくはずだと思っています。だからこそ、練習や試合の後は、まず自分の感情がどこにあるかを確認するようにしています。

「正しさ」より「一緒に考える」を選ぶようになりました

あの日以来、子どもに何かを伝える時は、結論を押しつけないことを意識するようになりました。うまくいかなかった理由は一つではありません。技術、フィジカル、戦術理解、チーム事情。いろいろな要素が絡み合っています。だからこそ、「お前は◯◯だからダメ」と決めつけず、一緒に考える形を選ぶようにしています。期待を押し付けない伝え方は、こちらの記事でも扱っています。

ただし、仲間を下げるような言葉が出た時だけは、はっきり伝えます。「パパはそういう考え方は好きじゃない」と。人格を否定するのではなく、考え方の方向を示すイメージです。ここだけは、曖昧にしないようにしています。

今日から試せる3つのこと

1. 最初の一言の前に、6秒だけ待つ

強い言葉が出そうになったら、一度だけ数を数えてみます。それだけで、口から出る言葉が変わることがあります。

2. 「どう思う?」から会話を始める

「もっと○○すべきだった」ではなく、「今日どうだった?」「監督はどこを見てたと思う?」といった問いから始めます。

3. 意見は「パパはこう思う」で伝える

断定ではなく、一つの意見として渡します。子どもが自分で考える余地を残すためです。

その言葉、後で覚えているのはどちらでしょうか

子どもはその瞬間の強い言葉を、案外覚えていないことがあります。覚えているのは、言った側の方かもしれません。

だとしたら、その言葉は誰のために発せられたものなのか。一度、考えてみる価値があると思います。

よくある質問

Q. 一度怒鳴ってしまった後、子どもにどう謝ればいいですか。

「さっきは言い過ぎた、ごめんね」というシンプルな一言で十分です。長い説明よりも、素直な一言の方が子どもには伝わります。

Q. 仲間を下げる発言は、いつでもすぐに否定すべきですか。

感情が高ぶっている直後よりも、少し落ち着いてから伝える方が届きやすいことが多いです。ただし、放置せずに必ず伝えることが大切です。

Q. 「パパはこう思う」と伝えても、子どもが納得しない時はどうすればいいですか。

無理に納得させる必要はありません。意見として渡した後は、子ども自身が考える時間を持たせてあげてください。

まとめ

試合や練習の後、感情のままに強い言葉が出てしまうことは、多くの親にとって他人事ではありません。最初の数秒をやり過ごし、結論ではなく問いから会話を始めるだけで、子どもとの関わり方は変わっていきます。

私自身、5歳の息子を怒鳴ってしまった経験があります。息子は覚えていなくても、私は今も忘れていません。この経験があったから、感情に任せて怒鳴らないと決めることができました。

今日、もし強い言葉が出そうになったら、まず6秒だけ待ってみてください。

試合後の会話に、決まった正解はありません。それでも、子どもが「また頑張ろう」と思える関わり方は、きっとあります。

【この記事を書いた人】

ぽこちパパ|Junior Football Base運営者

ジュニアサッカー指導歴25年以上。ブラジル・サンパウロでのサッカースクール設立・運営、Jリーグクラブスクールでの指導、女子チームや発達支援現場での活動を経験。現在はNPO法人を運営し、保護者支援や発達支援にも携わっています。

▶ぽこちパパのプロフィール
https://juniorfootballbase.com/profile/

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