子どもとの信頼関係を深める会話|必要なのは「対等」と「ユーモア」だけ

親のサポート術

子どもと信頼関係を築きたい。何かあった時に話してもらえる親でいたい。そう思って声かけの記事を読み、質問の仕方を工夫してみるけれど、テクニックを使っている自分にどこか違和感がある。もっと根本にあるものは何なのか。そう感じている方に向けて書きました。

この記事は、親の声かけについて書いてきたことの、いわば土台の話です。25年以上の指導と自分の子育てを振り返って、信頼関係の正体は何だったのかを考えると、残ったのは2つだけでした。対等であること。そして、ユーモア。 その中身をお伝えします。


信頼関係を深める会話として、一般的に言われること

まず、よく言われることを整理します。

傾聴する

アドバイスより先に、最後まで聞く。評価せずに受け止めることが信頼につながるとされます。

約束を守る

「あとで聞くね」と言ったら必ず聞く。小さな約束の積み重ねが信頼になると言われます。

秘密を守る

子どもが打ち明けたことを、勝手に他の人に話さない。当たり前ですが、破られると一気に信頼を失います。

毎日の何気ない会話を大切にする

深刻な話ができる関係は、くだらない話の積み重ねの上にしか成り立たないとされます。

どれもその通りです。ただ、これらを「やること」として積み上げても、何かが足りない。土台になる姿勢の話をします。


土台①|人と人として、対等であること

コーチとしてのスタンスと、親としてのスタンスは、私の中で同じです。

人と人の関係として、対等であること。

子どもだから、経験が浅いから、自分が育てているから。そういう理由で、上から話す関係には、信頼は生まれません。大人同士を思い浮かべれば分かります。いつも上から評価してくる相手に、悩みを打ち明けたいとは思わないはずです。

対等というのは、何でも子どもの言う通りにすることではありません。相手を一人の人として扱うということです。

具体的には、こういうことです。

  • 子どもの意見を、大人の意見と同じ重さで聞く
  • 間違えたら、子どもにも謝る
  • 分からないことは、分からないと言う
  • 子どもの「なんで?」に、ごまかさずに答える

このサイトで書いてきた「今日どうだった?と聞く」「答えを先に言わない」「失敗しても責めない」は、すべてこの対等さの表れです。テクニックが先にあるのではなく、対等という姿勢が、自然とそういう会話を生みます。


土台②|ユーモア

もう一つは、ユーモアです。

信頼関係というと真面目な話に聞こえますが、笑いのない関係に、深い信頼は育たないと思っています。

我が家では、失敗談を笑いにすることが多くあります。私自身の失敗も、子どもの失敗も、深刻な顔で総括するのではなく、笑い話に変えてしまう。「地球にヘディングしたのか!」と転んだ子に言うのも同じです。

ユーモアには、はっきりした機能があります。

失敗の重さを軽くすることです。

失敗が笑い話になる家庭では、失敗を隠す必要がありません。スパイクを忘れたことも、試合でやらかしたことも、話せば笑ってもらえるなら、子どもは自分から話します。逆に、失敗のたびに深刻な反省会が開かれる家庭では、子どもは失敗を報告しなくなります。

信頼関係とは、突き詰めれば「この人には何を話しても大丈夫」という安心感です。ユーモアは、その安心感を毎日の会話の中で作り続ける装置なのです。


お風呂という場所

我が家の場合、深い話はお風呂で出ることが多いです。

あっち向いてホイで遊ぶのもお風呂。息子が「チームにいらねーよ」と仲間に言ってしまった話を打ち明けてきたのも、お風呂でした。

理由は単純だと思います。遊びと笑いがある場所だからです。普段ふざけている場所だからこそ、重い話も出せる。真面目な話をするために構えた場では、子どもも構えます。

信頼関係を深める会話に、特別な時間はいりません。毎日のふざけた時間が、そのまま打ち明け話の受け皿になります。


対等とユーモアが揃うと、何が起きるか

この2つが日常にあると、会話は自然に変わっていきます。

子どもが自分からフィードバックを求めてくるようになります。失敗を隠さず報告してくるようになります。話したくない日は話したくないと言えるようになります。そして、本当に大事な話をしなければいけない時、親の言葉がまっすぐ届くようになります。

信頼関係を深める会話術というものは、実は存在しないのかもしれません。あるのは、対等に扱われ、一緒に笑ってきた時間の蓄積だけです。


まとめ

子どもとの信頼関係を深める会話に、特別なテクニックはいりません。土台は2つだけです。

人と人として対等であること。子どもの意見を同じ重さで聞き、間違えたら謝り、分からないことは分からないと言う。

そして、ユーモア。失敗が笑い話になる家庭では、子どもは何も隠す必要がなくなります。

今日の夕食かお風呂で、まず親自身の失敗談を一つ、笑い話として話してみてください。子どもの笑った顔が、信頼関係の始まりの合図です。


【この記事を書いた人】

ぽこちパパ|Junior Football Base運営者

ジュニアサッカー指導歴25年以上。ブラジル・サンパウロでのサッカースクール設立・運営、Jリーグクラブスクールでの指導、女子チームや発達支援現場での活動を経験。現在はNPO法人を運営し、保護者支援や発達支援にも携わっています。

▶ぽこちパパのプロフィール
https://juniorfootballbase.com/profile/

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