子どもの意思を尊重するとはどういうことか|失敗から学んだ息子の話

親のサポート術

「本人に決めさせた方がいい」

子どものサッカーについて、こう言われることがあります。でも、実際にどうやって?どこまで任せればいい?

私は25年以上指導者として関わってきて、「本人が決める」ことを大切にしています。でもそれは、何でも好きにさせることではありません。

息子のある経験が、そのことを改めて教えてくれました。


おっさんフットサルで出会った友達

私は個人的にフットサルをしています。チームとは全く関係のない、大人たちが集まって楽しむフットサルです。

ある時から、息子も一緒に参加するようになりました。そこで出会った子と仲良くなり、家に遊びに行くようになりました。

昨年のこと、その子からお泊まりに誘われました。

息子は迷うことなく「行きたい」と言いました。私も迷うことなく行かせました。


風邪をひいて試合に出られなかった

結果として、息子は風邪をひきました。

週末の試合に出られませんでした。

それが一度ではありませんでした。何度か同じことが続きました。

親として、止めることもできました。「試合前だから泊まりはダメ」と言えば済む話です。

でも、言いませんでした。


自分で気づいていく過程

2回目にお泊まりに行く時、息子は自分からこう言いました。

「今日は夜更かししない。」

初回に夜更かしして体調を崩したことを、自分なりに理解していたようです。

3回目の時は、「今日は早く寝る」と言っていました。

それでも体調を崩すことはありました。いいプレーができない日もありました。試合を休むこともありました。

でも、誰かに言われたわけではなく、自分で考え始めていました。


息子が自分でルールを作った

その後、息子は自分でこう決めました。

「試合の前日は絶対に遊びに行かない。」

誰かに言われたルールではありません。失敗して、体調を崩して、悔しい思いをして、自分で出した答えです。

これが、本人の意思を尊重するということだと思っています。


「尊重する」は「好きにさせる」ではない

子どもの意思を尊重することを、「何でも好きにさせること」と混同することがあります。

でも、それは違います。

好きにさせるだけでは、子どもは失敗から学べません。失敗した時に責任を感じる機会もなくなります。

本人の意思を尊重するとは、次の3つだと思っています。

自分で選ばせる

親が先回りして決めない。子どもが「どうしたいか」を考える余白を作る。

失敗しても責めない

結果が悪くても、「だから言ったでしょ」と言わない。失敗は学びの材料です。

気づくまで待つ

息子が「夜更かししない」と言うまで、私は何も言いませんでした。自分で気づくことを、ただ待っていました。


正直に言うと、完全には黙っていられなかった

ここで正直に書きます。

「また行くの」という言葉が、口から出たことは何度もあります。

「前回どうなったっけ?」と確認せずにはいられない自分もいました。

完全に黙って見守れていたわけではありません。

試合を休む息子を見て、「もう少し考えて行動できないのか」と思う瞬間もありました。何も感じないふりをしていた部分もあります。

それが親というものだと思っています。

完璧に口を閉じることが「意思を尊重すること」ではない。「また行くの」と言いながらでも、最後に本人に委ねられれば、それでいいのだと今は思っています。


まとめ

子どもの意思を尊重することは、完全に口を閉じることではありません。「また行くの」と言いながら、でも最後は本人に委ねる。その繰り返しの中で、子どもは自分でルールを作っていきます。

親が答えを出さずに待つことで、子どもは「誰かに言われたルール」ではなく「自分で決めたルール」を持てるようになります。それは、サッカーだけでなく、この先の人生でも使える力になります。

息子が「試合前日は絶対に行かない」と自分で決めた瞬間、口を出したくなった時間は全部意味があったと感じました。失敗させることへの罪悪感より、気づくまで待てた安堵の方が大きかったです。

お子さんが「辞めたい」と言った時、すぐに答えを出さなくていいと思います。まず「なぜそう思うのか」だけ聞いてみてください。答えは、そこから見えてきます。

親が完璧に黙って見守れなくても、大丈夫です。「また行くの」と言いながらでも、最後に本人に委ねられれば、それで十分だと思っています。


【この記事を書いた人】

ぽこちパパ|Junior Football Base運営者

ジュニアサッカー指導歴25年以上。ブラジル・サンパウロでのサッカースクール設立・運営、Jリーグクラブスクールでの指導、女子チームや発達支援現場での活動を経験。現在はNPO法人を運営し、保護者支援や発達支援にも携わっています。

▶ぽこちパパのプロフィール
https://juniorfootballbase.com/profile/

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