子どもが転んだ時、怪我をした時、何かに失敗した時。親が見せる反応は、思っている以上に子どもに影響します。
焦って深刻な顔をすればするほど、子どもは余計に不安になることがあります。これは自主練やサッカーの場面だけでなく、日常のあらゆる場面に通じる話です。
私自身の経験から、お伝えしたいことがあります。
焦りが逆効果になる一般的な理由
まず、よく言われる理由を整理します。
子どもは親の表情を見て状況を判断するから
子どもは、出来事そのものより、周りの大人の反応を見て「どれくらい大変なことなのか」を判断します。
焦りが緊張として伝わるから
親が落ち着いていないと、その緊張が子どもにそのまま伝わってしまいます。
不安が増幅しやすいから
特に小さな子どもほど、大人の深刻な様子を見ると、実際以上に怖い出来事だと感じてしまうことがあります。
娘が頭から血を流した日
昨年の夏、娘が学校でプレーボードのような遊具で遊んでいて、友達とぶつかり頭から落ちました。
打ちどころが悪く、頭をぱっくり切って血が止まらない状態でした。学校から連絡が来て、すぐに向かいました。
保健室には、管理職や担任を含めて7〜8人の先生がいました。娘はタオルで頭を押さえながら泣いていました。
先生から状況を聞きながら傷口を確認すると、娘の頭にあってほしくない大きな傷でした。
それでも私は、第一声でこう言いました。
「大したことなくてよかったじゃん。」
すると先生たちが慌てて、「そんなことないです、すぐ病院に行ったほうがいいです」と返してきました。
違うんです。子どもを安心させたかっただけ
先生たちの対応は、間違っているわけではありません。実際、その後すぐに病院へ行きました。
でも私が伝えたかったのは、傷の深刻さの話ではありませんでした。
そもそも、大人がこれだけの人数で、難しい顔をして、低いトーンで話していたら、子どもはその雰囲気だけで怖くなります。実際の傷の深さより先に、周りの大人の表情から「大変なことが起きた」と感じてしまう。
あなたたちは子どものプロなんだから、そこに気づいてほしい。そう思いました。
小6の冬、母が泣いた日
実はこの考え方の根っこには、私自身の経験があります。
小学6年生の冬、よく分からない腹痛で病院に行きました。紹介状をもらって大きな病院に向かい、そのまま入院することになりました。
いつもは怖くて、強くて、優しい母が、先生の説明を聞いて泣き出しました。
その姿を見て、私自身もパニックになりました。腹痛そのものより、母の涙を見たことの方が、ずっと怖かった記憶があります。
その体験があるから、子どもの前でどう見られるかを、ずっと気にかけています。
どんな言葉をかけるか
子どもが転んだ時、焦って駆け寄って「痛かったね」と言うと、それだけで泣き出すことがあります。
でも、こう言葉をかけると違うリアクションが返ってくることがあります。
「おっ、地球にヘディングしたのか!」
ふざけているように聞こえるかもしれません。でも、深刻な顔より、軽さのある言葉の方が、子どもを安心させることがあります。
もちろん、これは命に関わるような場面では別です。重大な怪我や危険な状況では、すぐに適切な対応をする必要があります。でも、それ以外の場面では、大人の見せ方一つで、子どもの受け取り方は大きく変わります。
親にできること
子どもが何かに失敗した時、怪我をした時、自主練がうまくいかなかった時。親が焦った様子を見せると、子どもはその雰囲気から「大変なことだ」と感じ取ってしまいます。
まず、自分自身が落ち着いて見せること。そして、状況に応じて、軽い言葉で受け止めること。
それだけで、子どもの反応は変わります。
まとめ
親が焦ると、その焦りは子どもに伝わり、本来の出来事以上に不安を大きくしてしまうことがあります。
娘が頭から血を流した日、私が「大したことなくてよかった」と言ったのは、傷の深刻さを軽視したかったからではありません。子どもの前でどう見られるかを、ずっと意識してきたからです。
その背景には、小6の冬、母の涙を見てパニックになった自分自身の経験があります。
子どもが何かに失敗したり、うまくいかなかったりした時、まず親自身が落ち着いて見せること。それが、子どもを本当の意味で安心させる第一歩だと思っています。
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