今は試合に出られない。目立つ結果も出ていない。でも、この子には何か光るものがある気がする。あるいは逆に、「うちの子は遅咲きタイプだと信じたいけれど、本当にそうだろうか」と不安に思う。そんな気持ちを抱えている方に向けて書きました。
25年以上、後から伸びていく子どもたちを見てきました。彼らには、伸びる前から共通して持っていたものがあります。この記事では、その特徴と、逆につまずきやすい子の傾向をお伝えします。読み終える頃には、我が子の「今」の見方が変わっているはずです。
遅咲きの選手について、一般的に言われること
まず、よく言われることを整理します。
身体的な発育が遅い子に多い
体が出来上がるのが遅い子は、ジュニア年代では目立ちにくく、発育が追いついてから力を発揮する傾向があるとされます。
基礎技術をコツコツ積んでいる
派手さはなくても、地道に技術を積み重ねている子が、体が追いついた時に一気に伸びると言われます。
精神的な成熟が後から来る
競争心や目標意識が芽生えるタイミングは人それぞれで、それが来た時に急成長するケースがあります。
これらは身体や技術に注目した見方です。間違ってはいません。ただ、私が現場で感じてきた「共通点」は、もう少し違うところにありました。
伸びる子は、様々すぎる
正直に言うと、後から伸びた子たちは、タイプが様々すぎます。
体が小さかった子、技術が先にあった子、ある出来事をきっかけに変わった子、サッカー以外に夢中だった子。伸び方も、伸びる時期も、共通点を見つけるのが難しいほどバラバラです。
「遅咲きの子はこういうタイプ」と一括りにできない。それが正直な実感です。
でも、そんなバラバラな子たちを並べて、たった一つだけ、共通して持っていたものがあります。
共通点は「楽しんでいる」「考えている」
後から伸びた子は、例外なく、サッカーを楽しんでいました。そして、考えていました。
結果が出ない時期も、試合に出られない時期も、サッカーそのものを嫌いになっていない。ボールを蹴ることが楽しい、という気持ちが消えていない。これが一つ目です。
そして、言われたことをこなすだけでなく、自分で考えている。「どうすればうまくいくか」を自分なりに探している。これが二つ目です。
楽しんでいるから続く。考えているから、続けた時間が力に変わる。この2つが揃っている子は、今どれだけ目立たなくても、時間をかけて伸びていきました。
もう一つの共通点|場を楽しむコミュニケーション力
さらに、多くの遅咲きの子に見られたのが、コミュニケーション能力です。
技術や体の話ではありません。その場を楽しめる力です。
仲間と一緒にいることを楽しめる。ふざけ合える。うまくいかない時も、場の空気を暗くしない。こういう子は、試合に出られない時期もチームの中に居場所があり、サッカーから離れずにいられました。
居場所があるから続けられる。続けられるから、伸びるタイミングまでたどり着ける。コミュニケーション力は、遠回りに見えて、遅咲きを支える大事な力でした。
逆に、つまずきやすい子の特徴
反対に、才能がありそうに見えても、つまずいてしまう子の傾向もあります。あえてお伝えします。
人の文句を言う子です。
うまくいかない原因を、コーチや仲間や環境のせいにする。自分の外に理由を探す癖がついていると、自分を変えるという発想が生まれません。成長は、自分を変えることでしか起きないので、ここでつまずきます。
もう一つは、向上心がない子です。
今のままでいい、うまくなりたいと思わない。この気持ちがないと、伸びるためのきっかけが来ても、それを掴もうとしません。
誤解してほしくないのですが、これは「今そうだから駄目」という話ではありません。文句を言う時期も、やる気が出ない時期も、子どもには当然あります。ただ、それが常態化して固定されると、伸びにくくなる。裏を返せば、ここが変われば曲線は変わる、ということでもあります。
親にできること
遅咲きの芽を育てるために、親にできることを整理します。
①「楽しい」を守る
結果を求めるあまり、サッカーが楽しくなくなっては本末転倒です。楽しいという気持ちだけは、何があっても守ってください。
②考える余白を残す
答えを与えすぎず、「どうすればいいと思う?」と考える機会を残す。自分で考える子が、後から伸びます。
③居場所を守る
技術以前に、チームや家庭に居場所があること。文句や愚痴が出た時も頭ごなしに否定せず、まず受け止める。居場所があれば、伸びるタイミングまで続けられます。
まとめ
遅咲きの選手はタイプが様々で、一括りにはできません。でも、後から伸びた子には共通点がありました。サッカーを楽しんでいること。自分で考えていること。そして、場を楽しむコミュニケーション力があることです。
逆に、人の文句ばかり言う、向上心がない、という状態が固定されると、才能があってもつまずきやすくなります。ただしそれは、変われば曲線も変わるということでもあります。
お子さんが今目立たなくても、楽しんで、考えているなら、心配はいりません。その2つを守ることが、遅咲きの芽を育てる一番の方法です。
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