このブログでは、子どものサッカーや子育てについて書いています。試合に出られない時、辞めたいと言われた時、他の子と比べてしまう時。その一つひとつに、私なりの考えをお伝えしてきました。
今回は、その考えの根っこにあるものを書こうと思います。サッカーの技術でも、指導法でもありません。私自身の、生き方についての話です。少し個人的な内容ですが、なぜ私が「今を大切に」と繰り返し言うのか、その理由が伝わればと思います。
卒業アルバムで出会った言葉
高校の卒業アルバムに、同級生が書いていた言葉があります。
その子は、おじいちゃんから言われた言葉を紹介していました。
「いつ死んでも後悔のないように生きる」
なぜか、その一文が強く心に残りました。
それから私は、自分もそう生きようと思ってきました。いつ死んでも後悔しないように、今日を生きる。若い頃に出会ったこの言葉が、その後の私の生き方の軸になりました。
ブラジルへ発つ日、母がくれた言葉
その生き方を、初めて大きく試したのが、ブラジル行きでした。
サッカーの本場を自分の目で見たい。その一心で、ブラジルに行くと決めました。当時の私にとって、それは人生をかけた挑戦でした。
出発が決まった時、母がこう言いました。
「あんたを死んだもんだと思っておく」
突き放すような言葉に聞こえるかもしれません。でも、そうではありませんでした。
後で聞いた話です。母はその頃、ドイツワールドカップの特集番組を見ていたそうです。そこで、ブラジル代表のアドリアーノという選手のことが紹介されていました。
貧しい地域で育ったアドリアーノが、目の前で銃撃戦に巻き込まれ、叔父を亡くしたという話でした。
母は、息子が行こうとしている国の現実を、その番組で知ったのだと思います。だからこその、あの言葉でした。「死んだもんだと思っておく」というのは、それでも行きたいのなら止めない、という覚悟の言葉だったのです。
身近な人の死を、イージするようになった
多分、その頃からだと思います。私は時折、死をイメージするようになりました。
自分がいつか死ぬこと。そして、父が亡くなってからは、身近な人が亡くなることも、時々イメージするようになりました。
暗い話に聞こえるかもしれません。でも、私にとってこれは、後ろ向きな行為ではありません。
死をイメージすることは、覚悟して生きること
死をイメージすることは、私にとって、覚悟して生きることです。
いつか終わりが来る。自分にも、大切な人にも。それを時々思い出すからこそ、今、目の前にある時間が特別なものに感じられます。
子どもと過ごす何気ない夕食。一緒にボールを蹴る休日。お風呂でのくだらない会話。これらは、当たり前に続くものではありません。いつか終わる。そう分かっているから、一つひとつを大切にしたいと思えます。
「いつ死んでも後悔のないように生きる」というのは、毎日を必死に頑張るという意味ではありません。今、目の前にある時間を、後で悔やまないように味わう、ということです。
だから、「今」を大切にする
このブログで、私は何度も「今を大切に」と書いてきました。子どもの未来を心配しすぎるより、今日の子どもの表情を見てほしい、と。
その根っこには、この死生観があります。
未来は、誰にも分かりません。いつ終わりが来るかも分かりません。分からない未来を心配して、今日を曇らせるのは、もったいない。それより、今日という日を、子どもと後悔なく過ごすこと。その積み重ねの先にしか、未来はありません。
子どもが試合に出られなくても、他の子より成長が遅くても、今日その子が笑っているなら、それでいい。そう思えるのは、限りある時間を意識しているからだと思います。
子どもに見せたい背中
こうした生き方を、言葉で子どもに教えることはできません。でも、背中で見せることはできると思っています。
後悔のないように、今を大切に、自分で選んで生きている。そんな親の姿を、子どもは見ています。
私がブラジルに行くと決めた時、母は止めませんでした。「死んだもんだと思っておく」と言いながら、私の選択を尊重してくれました。あの時の母の覚悟を、今は私が、自分の子どもに対して持ちたいと思っています。
子どもが自分の人生を選ぶ時、その背中を押せる親でありたい。そのためにまず、自分自身が後悔のないように生きる。それが、私にできる子育ての根っこです。
おわりに
サッカーのブログで、死の話をするのは場違いかもしれません。でも、私が子育てや指導について書いていることの多くは、この生き方から来ています。
いつ死んでも後悔のないように生きる。死をイメージして、今を覚悟して生きる。だから、子どもとの今日一日を大切にする。
もしこのブログを読んで、少しでも「今日、子どもと過ごす時間を大事にしよう」と思ってもらえたら、これほど嬉しいことはありません。
限りある時間の中で、子どもと過ごせる日々を、一緒に大切にしていきましょう。
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