はじめに
「このチームにいて本当に成長できるのだろうか」
「もっと良い環境があるのではないか」
「移籍したら試合に出られるかもしれない」
ジュニアサッカーやジュニアユースでは、一度はチーム移籍を考える保護者が少なくありません。
実際、移籍によって大きく成長する選手もいます。
一方で、移籍を繰り返した結果、思うように成長できなかった選手も見てきました。
では、どのような場合にチームを変えるべきなのでしょうか。
この記事では、移籍を考える前に確認したいポイントと、本当に環境を変えるべきケースについて解説します。
チームを変えれば成長するとは限らない
まず知っておきたいのは、
「チームを変えれば成長する」とは限らない
ということです。
私の友人にトレセンコーチを務めている指導者がいます。
その友人が言っていたのは、
「すぐにチームを変える選手は、なかなか育たないことが多い」
ということでした。
なぜなら、指導者との関係性や育成の積み上げが途中で途切れてしまうからです。
指導者は選手を長く見ているからこそ、
- 性格
- 得意なプレー
- 苦手な部分
- 成長課題
を理解できます。
しかし移籍を繰り返すと、その積み上げがゼロからやり直しになります。
だからこそ、
「成長していないから移籍」
ではなく、
「なぜ成長していないのか」
を考えることが先です。
子どもが成長しない原因は本当にチームなのか
子どもが伸び悩むと、ついチームやコーチに原因を求めてしまいます。
しかし実際には、
- 練習への取り組み方
- 自主練習の量
- サッカーへの向き合い方
- 身体の成長段階
など、さまざまな要因があります。
例えば学校でも、
担任の先生と相性が良くなくても、
- 友達との時間が楽しい
- 勉強に興味を持てる
- 行事を楽しめる
ということがあります。
サッカーも同じです。
コーチとの相性だけでチーム全体を評価してしまうと、本当に大切なものを見落としてしまうことがあります。
チーム移籍を真剣に考えるべきケース
一方で、環境を変えた方が良いケースもあります。
子どもの人権が軽視されている
例えば、
- 暴言が日常化している
- 過度な人格否定がある
- 公開での長時間説教が続く
などです。
厳しい指導と人権侵害は別物です。
子どもの尊厳が守られていない環境は見過ごしてはいけません。
安全面に問題がある
- 暴力行為がある
- ハラスメントがある
- 虐待を疑うような行為がある
こうした場合は話が別です。
「我慢して成長する環境」ではなく、「離れるべき環境」と考えた方が良いでしょう。
子ども自身が心身ともに消耗している
- サッカーの日が近づくと体調を崩す
- 常に不安を抱えている
- 笑顔が消えている
このような状態が続く場合も注意が必要です。
サッカーを感じられる場所はチームだけではない
移籍を考えるときに見落とされがちなのが、
「サッカー=チームではない」
という視点です。
例えば、
- スクール
- 個人参加型のイベント
- フットサル
- 公園での仲間とのサッカー
- 自主練習
など、サッカーを楽しめる場所はたくさんあります。
チームに不満があるからといって、
サッカーそのものを嫌いになる必要はありません。
むしろ、
「サッカーを楽しめる場所を増やす」
という考え方の方が、子どもの成長につながることもあります。
移籍する前に確認したい3つの質問
チーム移籍を決断する前に、親子で次の質問をしてみてください。
①本当に子どもが移籍したいと思っているか
親が不満を感じているだけの場合もあります。
まずは子どもの本音を確認しましょう。
②今のチームでできることをやり切ったか
- コーチに相談したか
- 自主練習を続けたか
- 自分なりに努力したか
やり切っていない状態で移籍しても、同じ問題が繰り返されることがあります。
③移籍先に明確な目的があるか
「なんとなく今より良さそう」
ではなく、
- もっと高いレベルで挑戦したい
- 特定の指導方針に魅力を感じる
- プレースタイルが合っている
などの理由があるかを考えてみましょう。
まとめ
チーム移籍は決して悪い選択ではありません。
しかし、
「成長しないからとりあえず移籍する」
という判断は慎重になるべきです。
大切なのは、
- 成長しない原因を整理する
- 今の環境でできることを考える
- 子どもの気持ちを確認する
- 人権や安全面の問題は見逃さない
- サッカーを楽しめる場所を増やす
ことです。
チームは子どもの成長を支える大切な環境ですが、すべてではありません。
サッカーそのものを好きでいられること。
それが長い目で見たとき、最も大きな成長につながるのではないでしょうか。
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