チーム内の人間関係との向き合い方|問題は「起きないこと」より「起きた後」が大事

親のサポート術

チームメイトと揉めた。強い言葉を言ってしまった、言われてしまった。仲間外れのような空気がある。

子どものチーム内の人間関係は、親にとって悩ましい問題です。介入すべきか、見守るべきか。相手の保護者との関係もあるので、動き方を間違えたくない。そんな不安を抱えている方に向けて書きました。

25年以上の指導経験と、仕事柄多くの子ども同士の問題に関わってきた立場から、人間関係との向き合い方をお伝えします。読み終える頃には、「問題が起きた時に何をすればいいか」の軸が持てるはずです。


チーム内の人間関係について、一般的に言われること

まず、よく言われる考え方を整理します。

子ども同士の問題に親が出すぎない

親が前に出ると、子ども同士なら解決できた問題が親同士の対立に発展することがあります。

事実確認を先にする

子どもの話は主観が混ざります。一方の話だけで判断せず、状況を確認することが推奨されます。

コーチに共有しておく

深刻化しそうな場合は、抱え込まずに指導者へ共有することが勧められています。

逃げ道を用意しておく

関係の修復が難しい場合、環境を変える選択肢もあるとされています。

どれも間違っていません。ただ、私は少し違う前提を持っています。


問題は「起きてはいけないもの」ではない

仕事柄、子ども同士の問題にはよく関わります。そこで感じているのは、こういうことです。

子どものうちに問題を起こしたり、問題に巻き込まれたりすることこそ、大人になる上で必要な経験だということです。

衝突も、失敗も、気まずさも、全部が人間関係の練習です。子ども時代に一度も揉めたことがない方が、むしろ心配になります。

だから親の役割は、問題を起こさせないことではありません。起きた時に、すべてを事実として受け入れて、本人の気持ちを確認しながら、「次はどうしようか」を一緒に考える時間を作ることです。

正解はありません。でも、一緒に考えるプロセスそのものが、子どもの財産になります。


息子の場合|いろんな一面が誰にでもある

我が家の話をします。

息子は負けず嫌いです。仲間に自分のイメージを期待して、思い通りにいかないと口調が荒くなる一面があります。年下の子に強く言ってしまい、その保護者から「怖い」と言われたこともあります。

同時に、チームの全選手のいいところ、いい変化、ポジティブな感想を言えるという一面もあります。これはすごいことだと思っています。そして、強く言ってしまった相手の未就学児の妹には「大好き!」とずっとくっつかれて困っていたりもします。

つまり、いろんな一面が誰にでもあるということです。

「怖い子」「優しい子」と一面だけで固定してしまうと、見えなくなるものがあります。自分の子も、相手の子も、多面的な存在として見ること。それが人間関係の問題に向き合う時の出発点だと思っています。


関係は、場所が変われば変わる

もう一つ、忘れられない経験があります。

学校でうまくいっていない関係の子ども同士がいました。一方がもう一方に日常的に嫌なことを言われ続け、ある日、我慢の限界がきて手が出てしまった。学校で問題になっていました。

その約1年後、「自分がフォローするから」と伝えて、その子をサッカーチームに誘いました。嫌なことを言っていた側の子と、チームメイトになる形です。

正直、賭けの部分もありました。でも、チームという学校とは違う場所で、違う役割を持って関わるうちに、二人の関係は変わっていきました。そして関係が変わってから、その子が問題を起こすことはなくなりました。

学校でこじれた関係が、一生こじれたままとは限りません。場所が変わり、関わり方が変われば、関係は組み直せる。人を変えようとするのではなく、関係が変わる環境を作る。その大切さを教えてもらった経験でした。


親にできること

チーム内の人間関係で問題が起きた時、親にできることを整理します。

①事実として受け入れる

「うちの子に限って」でも「相手が悪い」でもなく、起きたことをまず事実として受け止めます。

②本人の気持ちを確認する

何があったかより先に、どう感じたかを聞きます。悔しかったのか、悲しかったのか、後悔しているのか。感情の確認が、次を考える土台になります。

③「次はどうしようか」を一緒に考える

答えを与えるのではなく、一緒に考える時間を作ります。正解は出なくて構いません。考えたプロセスが残ります。

④相手の子も多面的に見る

トラブルの相手にも、いろんな一面があります。一つの出来事でその子を固定しないことが、関係の修復の余地を残します。


まとめ

チーム内の人間関係の問題は、起きないことが理想ではありません。子どものうちに問題を経験し、向き合うことこそが、大人になるために必要な練習です。

親の役割は、事実を受け入れ、本人の気持ちを確認し、「次はどうしようか」を一緒に考える時間を作ること。正解はなくても、そのプロセスが子どもを育てます。

そして、こじれた関係も、場所と関わり方が変われば組み直せます。学校でうまくいかなかった子ども同士が、チームで関係を変えていった姿を、私は実際に見てきました。

今まさにお子さんの人間関係で悩んでいるなら、問題を消そうと焦らなくて大丈夫です。まず「どう感じた?」と聞くことから始めてみてください。


【この記事を書いた人】

ぽこちパパ|Junior Football Base運営者

ジュニアサッカー指導歴25年以上。ブラジル・サンパウロでのサッカースクール設立・運営、Jリーグクラブスクールでの指導、女子チームや発達支援現場での活動を経験。現在はNPO法人を運営し、保護者支援や発達支援にも携わっています。

▶ぽこちパパのプロフィール
https://juniorfootballbase.com/profile/

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