「うちの子、自主練を全くしないんです。」
そう相談されることがあります。サッカー以外のことばかりに時間を使い、ボールに触れる時間がほとんどない。親としては心配になります。
でも、自主練をしない子が、サッカーで活躍できないかというと、そうとは限りません。
自主練をしない子への一般的な見方
まず、よく言われる考え方を整理します。
技術の習得スピードが遅くなる懸念
自主練をしない分、技術の上達には時間がかかると考えられがちです。
チームメイトとの差がつきやすい
自主練をしている子と比べると、目に見える技術差が生まれやすいとされます。
サッカーへの本気度が見えにくい
自主練をしないことが、「本気で取り組んでいない」と受け取られることがあります。
これらは一見もっともらしく聞こえますが、私が現場で見てきた子どもたちは、少し違う姿を見せてくれました。
将棋、ポケモン、お菓子作り、風力発電
ある子は、サッカーを全くと言っていいほど練習しませんでした。
その代わり、将棋にハマったり、ポケモンにハマったり、お菓子を作ったり、肉まんを作ったり、風力発電を作ったり。サッカーとは関係のないことに、次々と夢中になっていました。親も心配していました。
でもその子は、合宿でリーダーをしてくれたり、しおりを作ってみんなをまとめてくれたりしました。
本とゲームに没頭していた子
別の子は、いつも本を読んでばかり。家から出ず、ゲームばかりしていました。
それでも、友達に宿題を教えて大人気でした。夏休みの自由研究では、ヒーローについて研究し、注目を集めていました。
サッカーの自主練はゼロでした。
兄との野球、家族との時間を選んだ子
もう一人は、「サッカーが好きじゃないから」と言って、兄と野球をしたり、野球観戦に行ったり、休みの日は家族でお出かけしたり、バーベキューに行ったり。学校を休んでディズニーランドに行くこともありました。
サッカーに費やす時間は、ほとんどありませんでした。
みんな6年生で中心選手になった
ここに挙げた子どもたちは、自主練を全くしていませんでした。でも、6年生になる頃には、それぞれチームの中心選手になっていました。
将棋やお菓子作りで培った集中力や工夫する力が、合宿でのリーダーシップにつながっていたのかもしれません。本を読む中で育った言語化する力が、友達への説明上手につながっていたのかもしれません。家族との時間を大切にしてきた経験が、チームの仲間との関わり方に活きていたのかもしれません。
サッカーから離れた時間が、無駄になっていたわけではないと感じています。
自主練をしないことを問題視しすぎない
これは一つのケースに過ぎませんし、全員が同じように成長するとは限りません。
ただ、自主練をしないことだけを見て、「この子はサッカーに向いていない」「このままでは伸びない」と判断するのは、少し早いと思っています。
サッカー以外の時間で育っている力は、目に見えにくいだけで、確かに存在しています。それが何かのきっかけで、サッカーにつながっていくことがあります。
親にできること
自主練をしない子どもを見て、不安になる気持ちは自然なことです。
ただ、その時間に子どもが何に夢中になっているか、目を向けてみてください。将棋、本、ゲーム、家族との時間。一見サッカーと関係なさそうなことの中にも、育っているものがあります。
サッカーをやらせることより、子ども自身が今夢中になっていることを尊重することの方が、長い目で見て力になることがあります。
まとめ
自主練をしない子は、サッカーで活躍できないわけではありません。将棋やポケモンに夢中だった子、本とゲームに没頭していた子、家族との時間を大切にしていた子。みんな自主練ゼロでしたが、6年生で中心選手になりました。
サッカー以外の時間で育つ力は、目には見えにくいものです。でも、それが確かにサッカーにつながっていく瞬間があります。
お子さんが自主練をしないことに不安を感じたら、まず今夢中になっていることに目を向けてみてください。その時間も、きっと何かの形で力になっています。
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