「練習をたくさんすれば、その分上手くなる。」
そう信じて、練習量を増やそうとする家庭は多いと思います。確かに、量が力になる場面はあります。でも、練習量と成長が必ずしも比例しないケースを、私は何度も見てきました。
練習量と成長の関係について、一般的に言われること
まず、よく言われる考え方を整理します。
反復練習が技術を定着させる
繰り返し練習することで、体に動きが染みつき、技術が安定するとされています。
練習時間が長いほど経験値が増える
単純に、ボールに触れる時間が長いほど、上達のチャンスも増えると考えられます。
計画的な練習が効果的
体力、技術、戦術と段階を踏んで積み上げることで、着実な成長につながるとされています。
これらは正しい面もあります。ただ、私が見てきた現場では、もう少し複雑でした。
父親と毎朝走った子
ある子は、体力が足りないと言われたことをきっかけに、父親と毎朝走るようになりました。
体力がついてくると、父親と一緒にリフティングを練習するようになりました。
少し筋力がついてくると、今度はドリブルの練習をするようになりました。
体力、技術、ステップを踏んで、計画的に積み重ねていました。いつも練習に熱心に取り組んでいました。
それでも、その子が思ったような成長をできていたのか、正直なところ分かりません。
練習を休みがちだった子
もう一人の子の話です。
その子の父親は自営業で、いつも忙しくしていました。「仕事を手伝う」と言って、一緒に練習する時間が取れないこともありました。練習を休むことも珍しくありませんでした。
時間がある時は、羽を伸ばすように友達と自由に遊んでいました。
サッカーの練習量という意味では、決して多くなかったはずです。
それでも、その子はサッカーが上達しました。
何が選手の成長に合うのか、正直分からない
この2人の子を見ていて、率直に思うことがあります。
何が選手の成長に合うのか、正直なところ分かりません。
計画的に積み上げた練習が必ず実を結ぶわけではない。逆に、練習量が少なくても、自由な時間の中で何かが育っていることがある。
練習量だけを見て、「これだけやっているから大丈夫」「これだけしかやっていないから心配」と判断するのは、現実とは少しズレているのかもしれません。
練習量にこだわりすぎないために
練習量を増やすこと自体は、悪いことではありません。父親と毎朝走り、段階を踏んで練習を重ねた子の努力も、決して無駄ではないはずです。
ただ、練習量の多さだけが成長の指標ではないということは、知っておいてほしいと思っています。
時間に追われず、友達と自由に遊ぶ時間の中にも、サッカーにつながる何かが育っていることがあります。練習を休んだからといって、それが成長の妨げになるとは限りません。
親にできること
子どもの練習量について悩んでいる場合、量を基準に一喜一憂しすぎないことが大切だと思っています。
たくさん練習しているから安心、練習が少ないから心配。そういった単純な見方ではなく、子ども自身がどう過ごしているか、どんな表情でサッカーに向き合っているかを見てあげてください。
まとめ
練習量が多ければ成長するとは限りません。毎朝父親と走り、体力、技術、戦術と段階を踏んで練習を積み重ねた子もいれば、練習を休みがちで、友達と自由に遊ぶ時間が多かった子もいました。後者の子は、サッカーが上達しました。
何が選手の成長に合うのか、正直なところ誰にも分かりません。だからこそ、練習量だけで子どもの将来を判断しないことが大切だと思っています。
お子さんの練習量に悩んでいるなら、量より、その子自身がどんな表情で日々を過ごしているかに目を向けてみてください。それが、本当の意味での成長のサインかもしれません。
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