子どもの成長のために、親としてどう関わればいいのか。声かけの本を読み、先回りしないよう我慢し、送迎と応援に時間を注ぐ。やれることはやっているのに、これで合っているのか分からない。気づけば、自分の生活のほとんどが子どものサッカー中心に回っている。そんな方に向けて書きました。
25年以上、たくさんの親子を見てきて、成長を促す関わり方についてたどり着いた答えがあります。それは、関わり方のテクニックではありませんでした。この記事では、一般的に言われる関わり方を整理した上で、その一番土台にあるものをお伝えします。読み終える頃には、少し肩の力が抜けているはずです。
成長を促す関わり方として、一般的に言われること
まず、よく言われるポイントを整理します。
結果ではなく過程を認める
勝敗や上手さではなく、取り組みそのものに目を向けることが、挑戦し続ける力を育てるとされます。
先回りせず、失敗を経験させる
親が答えを用意し続けると、子どもは考える機会を失います。失敗から学ぶ余白を残すことが推奨されます。
子どもの意思を尊重する
やるかやらないか、続けるか辞めるか。決定権を子どもに残すことが、主体性を育てるとされます。
一緒に楽しむ
指導者ではなく、一緒にボールを蹴る仲間として関わる時間が、サッカー好きの土台を作ります。
これらはすべて、このサイトでも繰り返し書いてきたことです。どれも大切です。ただ、これらを全部実践しようとして、苦しくなっている親御さんを見ることがあります。
テクニックを積み上げても、苦しくなる時
声かけを学び、我慢を覚え、送迎に走り、週末はすべて試合。気づけば、親自身の人生が子どものサッカーだけになっている。
そうなると、関わり方はどこかで歪み始めます。
自分の時間をすべて注いでいるからこそ、結果が欲しくなります。試合に出られないと、自分の投資が報われない気がしてしまう。子どもの成績が、自分の成績のように感じられてくる。良かれと思った関わりが、いつの間にか子どもへの重さに変わっていきます。
関わり方のテクニックの手前に、もっと大事なものがあると思うようになったのは、そういう親子をたくさん見てきたからです。
まず、親が自分の人生を生きる
たどり着いた答えは、シンプルです。
まず、親が自分を認めること。自分の人生を生きること。
血のつながりも、家族も、すごく大事です。子どものために時間を使うことも、尊いことです。でもその前提として、親自身が自分の人生を生きていること。それが、結局は子どもに伝わるのだと思っています。
私自身、サッカーの指導をし、大人のフットサルで自分がプレーし、ブログを書き、自分の楽しみを持ち続けています。子どものサッカーは応援していますが、それが人生のすべてではありません。
なぜ「親の人生」が子どもの成長につながるのか
理由は3つあると思っています。
①子どもは、大人の生き方を見て育つ
「自分の人生を楽しみなさい」と言葉で教えることはできません。でも、楽しんでいる背中は毎日見せられます。何かに夢中になる姿、失敗しても笑っている姿、自分で決めて動く姿。子どもが将来「自分の人生を生きる」ためのモデルは、一番近くにいる大人です。
②親に余白があると、子どもに圧がかからない
自分の人生が充実している親は、子どもの結果に依存しません。試合に出られない日があっても、親自身の一日は揺らがない。その余白が、子どもにとっての安全地帯になります。逆に、親の人生のすべてが子どもに乗っている時、子どもはその重さを敏感に感じ取ります。
③「見守る」が本当にできるようになる
先回りしない、意思を尊重する、待つ。これらのテクニックが難しいのは、親が暇だと、つい子どもを見すぎてしまうからです。自分の楽しみがある親は、自然に視線が分散します。見守るとは、我慢することではなく、自分の人生も並行して生きることなのだと思います。
「子どものため」を少しだけ手放す
だから、提案があります。
週末の全部を子どものサッカーに使っているなら、月に一度だけ、自分の楽しみに使ってみてください。応援に行けない試合があってもいいのです。親が楽しそうに自分の話をする夕食は、試合の反省会より、ずっと子どもを育てます。
罪悪感を持つ必要はありません。それは手抜きではなく、子どもに「自分の人生を生きる大人」を見せるという、一番深い関わり方です。
まとめ
成長を促す親の関わり方には、過程を認める、先回りしない、意思を尊重する、一緒に楽しむ、といったポイントがあります。どれも大切です。
でも、その全部の土台にあるのは、親自身が自分を認め、自分の人生を生きていることです。子どもは言葉ではなく、生き方を見て育ちます。親の人生に余白があるほど、子どもは自由に伸びていけます。
子どもの成長のために何をするか、を考え続けて疲れたら、一度だけ問いを変えてみてください。「自分は今、自分の人生を生きているか」。その答えが、一番の関わり方になります。
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