子どもが前向きになる質問とは|共通点は「未来に向いているか」

親のサポート術

子どもに質問しているのに、返ってくるのは「別に」「わかんない」ばかり。励まそうと聞いているのに、むしろ表情が曇っていく。質問の仕方が悪いのだろうか。そう感じたことのある方に向けて書きました。

私は25年以上の指導の中で、質問を指導の中心に置いてきました。その中で見えてきたのは、子どもが前向きになる質問には、はっきりした共通点があるということです。この記事では、実際に使ってきた質問を整理しながら、その共通点をお伝えします。読み終える頃には、明日から使える質問がいくつも手に入っているはずです。


質問が持つ力について、一般的に言われること

まず、よく言われることを整理します。

質問は答えを考えさせる

指示は従わせますが、質問は考えさせます。自分で考えて出した答えは、指示された答えより残るとされます。

オープンクエスチョンが思考を広げる

「はい/いいえ」で終わる質問より、「どう思う?」という開かれた質問の方が、子どもの言葉を引き出すと言われます。

詰問は思考を止める

「なんでできないの?」のような責める響きの質問は、考えるどころか心を閉じさせます。

どれも正しいと思います。ただ、実際の場面では「オープンに聞いているのに答えない」ことも多い。もう一歩踏み込んだ整理が必要です。


実際に使ってきた質問たち

私が日常的に使っている質問を並べてみます。

「今日どうだった?」
練習後、試合後の定番です。「2-0で勝った」と結果が返ってきたら「それは知ってるけど、どうだった?」と聞き直します。

「なんで?なにが?」
「楽しかった」で終わらせず、中身を自分の言葉にさせる質問です。

「それって変えられる?」
相手がゴツくてむかついた、審判が悪かった。そんな時に聞きます。変えられないものへの怒りを、変えられるものへの思考に切り替える質問です。

「何ならできる?」「次はどうする?」
変えられないことを確認した後、自分にできることへ視線を移す質問です。

「どこを探した?」
「靴がない!」と言われた時、「ここにあるよ」と答える代わりに聞く質問です。自分で考えて動く回路を作ります。

「今日の練習、何する?」
練習前に聞きます。「シュート」と返ってきたら「なんで?」。理由まで言えたら、それをやります。


前向きになる質問の共通点

こうして並べると、共通点が見えてきます。

①過去の原因ではなく、未来の行動を聞いている

「なんでミスしたの?」は過去に向かう質問です。責める意図がなくても、子どもは過去の失敗を掘り返されている感覚になります。

「次はどうする?」は未来に向かう質問です。同じ失敗を扱っていても、視線の先が変わるだけで、子どもは考え始めます。

②答えが子どもの中にある

「コーチは何て言ってた?」は、正解が外にある質問です。「あなたはどう思った?」は、答えが本人の中にある質問です。自分の中から答えを出す経験が、前向きさの土台になります。

③答えを親が決めていない

質問の形をした指示、というものがあります。「そろそろ練習した方がいいんじ�ゃない?」。これは質問に見えて、答えが決まっています。子どもは敏感に見抜きます。本当にどちらの答えでもいい質問だけが、子どもを考えさせます。


質問が機能するための前提

ただし、どんなに良い質問でも、機能しない時があります。

本人に余裕がない時です。

負けた直後、悔しさを消化できていない時、疲れ切っている時。そんな時の質問は、良質なものでも重荷になります。「今日どうだった?」すら聞かない日があっていい。表情を見て、聞くかどうかを決める。それも質問力の一部です。

そしてもう一つ。質問が機能するのは、普段から話せる関係があってこそです。信頼のない相手からの質問は、尋問にしか聞こえません。質問のテクニックより先に、話せてよかったと思える経験の積み重ねがあります。


明日から使える質問リスト

最後に、場面別にまとめます。

  • 練習・試合の後に → 「今日どうだった?」→「なんで?なにが?」
  • 結果だけ話してきたら → 「それは知ってるけど、どうだった?」
  • 何かに腹を立てていたら → 「それって変えられる?」→「何ならできる?」
  • 失敗して落ち込んでいたら → 「次はどうする?」
  • 何かを探している・困っている → 「どこを探した?」「どうしたらいいと思う?」
  • 練習の前に → 「今日、何する?」→「なんで?」

すべてに共通するのは、過去より未来、外より本人の中、親の答えより子どもの答えという向きです。


まとめ

子どもが前向きになる質問の共通点は、未来に向いていることです。過去の原因を問う質問は子どもを黙らせ、未来の行動を問う質問は子どもを考えさせます。

そして、答えが子どもの中にあること、親が答えを決めていないこと。この3つが揃った質問は、子どもの中に「自分で考えて、自分で決めて、前を向く」という回路を作っていきます。

まずは今日の練習後、「今日どうだった?」から始めてみてください。返ってきた言葉の、その先を聞く。それだけで、会話の質が変わり始めます。


【この記事を書いた人】

ぽこちパパ|Junior Football Base運営者

ジュニアサッカー指導歴25年以上。ブラジル・サンパウロでのサッカースクール設立・運営、Jリーグクラブスクールでの指導、女子チームや発達支援現場での活動を経験。現在はNPO法人を運営し、保護者支援や発達支援にも携わっています。

▶ぽこちパパのプロフィール
https://juniorfootballbase.com/profile/

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